4月23日

オハイオ州コロンバスの春

 

春の花

 

今年の冬はことのほか寒く、12月半ばにふった雪が3月の中旬まで解けなかった。しかし、雪解けが終わるやいなや、植物は猛烈な勢いで花を咲かせはじめ、新緑も始まった。庭のヒヤシンス、水仙、チュウリップ、姫リンゴ、しだれ桜、はなずおう、リンゴ、もくれん、レンギョウ、ライラック、花ミズキ、など次々に咲くので、庭に出るとどちらをみても花ばかりでむせ返るようになる。4月になってからは、気温の低い日が続いたので、どの花も長く咲いた。4月に入っても霜の降りる朝がおおく、4月下旬のいまでも霜がおりている。零下1-2度Cくらいなら花も耐えるらしい。しかし零下5度にもなるとすべて枯れてしまうが、そのような被害のなかった今年の春は幸いであった。

 

ふき

 

数年まえにふきの根を送ってくれるように親類に頼んだらキャラブキとかいう小さな種類のふきを送ってくれた。それがどうしたものか一年で消えてしまった。ところがその後2年位して東隣の庭にその植物が生えているのに気が付いた。隣人にその経由を尋ねたが知らないという。昨年暮れに、その株をもらって我が家の花壇に植えておいた。4月のはじめ、タンポポのような花が何本も束になって咲いた。ふきの花はその時までみたことがなかった。やがて、たんぽぽのような白い種が出来て、ふわふわと空気中に舞い上がり、東の方に飛んで行った。そのため、我が家の東側にある何軒かの家にはキャラブキが生えたかも知れない。普通の大きさのフキの株も手に入れたが、どうも冬に弱いらしい。鉢に入れて家の中で越冬をさせた。花はまだ見ていない。

 

子兎

 

春になると雑草も猛烈な勢いで生えてくるので、花壇の草抜きもばかにならない。ある日、草抜きをしていた妻の昭子がすぐ来いと呼びに来た。植物の根元で赤ん坊くらい小さな兎をみたという。そこで長い火ばさみをもって、そっとそのあたりをさぐってみると、確かに兎の巣がみつかって、なかには生まれてから何日か経ち、そろそろ巣からでて歩き回れるくらいの、子兎が3びきいた。毎年5月になると庭に出てくる子兎の数がふえるので、どんなところで生まれるのかと不思議に思っていたが、我が家の庭でも生まれていたのだ。

 

巣というのは直径20cmくらいの穴で、その上を柔らかい草と親が自分の体からむしりとったかと思われる毛を混ぜた、いわば綿のようなもので覆ってあり、その中に子兎は隠れていた。異様な気配に子ウサギ達は逃げだした。結構走るのが速かったが、まだ赤ん坊であるせいか休み休み走るので、私のほうがどうにか早く、正反対のほうに走り出した二匹を両方とも捕らえることができた。一匹は足にまだ自信がないのか、頭を草むらのなかに押しこんで隠したまま動かないようにしてじっとしていたので捕まえるのは容易であった。結局三匹の子ウサギを捕まえてしまった。まだ親から乳をもらっているにちがいない。ほっておくと成長して、彼らはラッキョウ、三つ葉など、こちらが大切にしてる植物をまたたくまに食い尽くしてしまう。子ウサギも親から独立するころになると、小さくても走るのが早く、人間は絶対に勝てない。そのような自信があるから、天気の良い日には、花壇や菜園の植物を食べた後は、デロンと横になって昼寝をするのだ。手放しにはしておけないので、車で数分で行ける川向こうの森に移動してもらうことにした。親から離され、いきなり森に捨てられて寒い夜を過ごせるだろうか。少々胸がいたまないではないが、地主である私の許可なしに巣を作り子供を生んだ親が悪い、と自分に言い聞かせて。

 

春の雹

 

三日まえの日曜日、夕方になって急に雲が出てきて気温が下がり風がでてきた。雨が降り出して間もない頃、家中を揺り動かすくらいの、轟音に見舞われた。ザーともゴーとも言える音で、何事かと窓から外をみると、直径1センチくらいのあられが降っていた。まもなく止んだが、地上氷のつぶで覆われていた。

 

二日後の新聞をみて再び驚いた。私の家から5kmくらい北に行った地域では直径5cmから15cmの雹が降ったという。そのあたりにあったトヨタ自動車販売所の約200台以上の車は一台残らず雹のためにへっこみ、大変な被害であるという。

 

中村