2004.5.17

西 村 三千男 記

続「ポコポコ・イタリアーノ」

 

第2回 アリタリア航空

 

イタリアのナショナルフラッグキャリアーはご存知「アリタリア航空」である。

半年の間に2度も経営陣が交代するくらい経営が悪化しているらしい。アリタリア航

空に限らず最近の世界の航空業界は、米国から始まった果てしなき過当競争と数年来の

テロや新型肺炎による需要低迷、それらの結果としての経営不振が常態化している。そ

の中にあって「アリタリア航空」は明と暗の何れにおいても殆んど話題に上らない。

 

私にとって最新の(最後の)アリタリア航空搭乗経験は1995年4月であった。長男

のハイデルベルクでの結婚式に出席するのに、その往路だけ敢えてアリタリアのビジネ

スクラスを選んだ。機上でのイタリアンホスピタリティを期待したのであったが、その

期待は見事に裏切られた。その時以来アリタリア航空は避けて、シンガポール航空、全

日空、スカンジナビア航空などを選好して来た。イタリアブームさ中の日本とイタリア

を結ぶ主要航空路線と思える東京〜ローマ間にはアリタリア航空の単独運行便はなく、

アリタリア/日航のコードシェアー便となっていて、それも毎日は運行していない。ま

たビジネスに大切な路線である東京〜ミラノ間のアリタリア直行便はジャンボB747

でなくB777である。

 

 往時、私がヨーロッパ駐在であった1960年代後半のアリタリア航空は味に定評の

あった機内食や魅力的なスチュアーデスをはじめ客室サービスがセールスポイントのエ

アーラインであった。噂では機材の整備はイタリア的で「いい加減」であるが、パイロ

ットが器用だから有視界飛行でのランディング(航空機事故はこの時起こりやすい)が

上手で、着陸時事故が少ないと云われていた。

 

 ところで、金曜日はカソリックにとって特別の日である。アリタリアでその金曜日の

夕食時間帯に出会うと面白かった。次のようなメッセージが食事に添付されて来た。

 

  ある時は「今日は金曜日であるからしてカソリックの習慣に従って肉食を提供

            しないことをご了解下さい。」

 

  別の時は「今日は金曜日でありますがローマ法王庁の特別の許可を得てアリタ

            リアの乗客の皆さんに肉食を提供することをご了解下さい。」

 

  このイタリア的融通性が私にはたまらない魅力であった。

 

                           (以下次回)