2004.7.21

西 村 三千男 記

続「ポコポコ・イタリアーノ」

 

第6回 ヴェローナ〜ダンテの像とジュリエッタの像

 

 ヴェローナはミラノとヴェニスのちょうど中間に位置する古都である。毎年7〜9月

に上演される野外オペラが世界的に有名で、この時期に合わせて世界中から観光客が訪

れる。日本からも野外オペラ鑑賞を組込んだツアーが多数集中するようである。去る5

月後半はオフシーズンのためか日本人旅行者には殆んど出会わなかったが、土産物を売

る店員さん達は上手な日本語を話せた。

 

街をS字型に流れるアディジェ川は水量が豊富であり、水源のアルプスに近いせいか

清流でもあった。他のイタリアの観光地ではローマのテベレ川、フィレンツェのアルノ

川、パルマのパルマ川などどれもこれも濁流である。

 

 ヴェローナはご存知シェイクスピア「ロメオとジュリエット」の舞台でもある。これ

にあやかってか、「ロメオとジュリエッタ」(イタリア語ではジュリエッタ)という名

前の小さなリストランテがあった。私達のホテルの傍で見かけてランチタイムに入って

みた。その名前から多分観光客相手のレストランだろうと想像したが、案に相違して、

地元客が入っていて、テーブルが全部で10席くらいと小さく、素朴で、美味しく、安

価であった。

 

ヴェローナには街の中心が2つある。円形劇場アレーナの前のブラ広場と北のエルベ

広場である。エルベ広場裏手のシニョーリ広場には「ダンテの像」がある。丈も大きく

堂々としていて、威風辺りを払う趣はあるものの広場全体として閑散としている。地元

の商店や飲食店も無く、観光客も疎らでひっそりとしている。

 

エルベ広場の近くに「ジュリエッタの家」があり、この街の名所として人々を引き付

けている。勿論本物ではなく、観光資源として仕立てられたものであろうけれど。一番

人気は「ジュリエッタの家」の前庭にあるジュリエッタの等身大ブロンズ立像である。

観光客はその立像の右(向って左)に立って写真を撮るように仕掛けられている。ジュ

リエッタの右腕と手を組めるようになっている。または彼女の左腰を左手で抱けるよう

にもなっている。さらに空いている観光客の右手でジュリエッタの右乳房を撫でながら

写真撮影する趣向にもなっている。周囲の観光客からヒューッと口笛が飛ぶ。斯くして

ジュリエッタの右腕、右乳房、左腰は毎日毎日観光客の手で磨かれて、ブロンズがピカ

ピカになっている。私はここでも写真撮影しなかったので、記念写真をお見せ出来ない

が、上記の状況を説明する写真はインターネットで簡単に閲覧出来る。

 

 その代わりに「DSC01551A アディジェ川から前方にサン・ピエトロの丘を遠望する」

1枚をご覧に入れる。

 

                              (以下次回)