2004.8.10

西 村 三千男 記

続「ポコポコ・イタリアーノ」

 

第7回 イタリアの交通通信インフラ

 

 イタリアの交通通信インフラは劣っている、遅れていると云われ続けている。

 

ミラノ市内の郵便が届くのに1週間かかるとか、イタリア旅行先のホテルから手紙

や絵葉書を出しても何時届くか保証の限りでないとか云われてきた。そもそも郵便の

起源はローマであるのに。

 

無線通信の父マルコーニはイタリア人である。現代を生きるその子孫達は携帯電話

をこよなく愛し、何処でも、何時でもかけまくる。このシリーズの第4回マルペンサ

空港の項で既述したマルペンサエクスプレスやシャトルバスの車内でさえ何人かの女

と男は(ここでも女性が多いが)は乗ってから降りるまで携帯電話で終始大声で話し

続けていた。

 

然しながら、現代の情報化社会でインターネットとかブロードバンドでイタリアが

先行している話は聞かない。一流ホテルの部屋からでもインターネット接続を求める

とインフラが整備されていなくて大騒ぎになりかねない。往時、電動タイプライター

や電動計算機の名機を提供していたオリベッティ社もエレクトロニクス化には出遅れ

てしまった。多分イタリアではパソコンどころか携帯電話やカーラジオ、さらに普通

のラジオ受信機さえも生産されてはいない。

 

 イタリア人は車大好き人種である。その証拠に世界の名車、フェラリー、アルファ

ロメオ、ランボルギーニ等は彼らが生み出してきた。イタリア北西部のピエモンテ州

の州都トリノには自動車量産工場群が集中している。さらにトリノには自動車を個性

的に改造したり、試作したりするための部品供給等のハード、ソフトのインフラが世

界中の他のどの都市よりも整っていた。

 

約40年前、ヨーロッパに駐在しクロロプレンゴムの輸出促進を担当していた時期

には、トリノには重点ユーザーが集中していて頻繁に通ったものだ。また当時、私は

自動車産業の隆盛するドイツに住みながら、車は故あってフィアット車であった。性

能的にもアフターサービス面でも申し分無かった。当時も今もフィアット社はイタリ

ア最大手のカーメーカーであるが、その経営が著しく傾いていると伝えられる。これ

からどうなるのだろうか。

 

イタリアで交通機関(航空機、鉄道、地下鉄、バス等)を利用すると、慣行が日本

ともヨーロッパの他の国々とも異なっていて驚くことが多い。アリタリア航空とマル

ペンサ空港の特徴についてはこのシリーズで既に触れた。イタリア国鉄の改革遅れに

ついては昨年のシリーズに何度か述べたがまだまだ話題は尽きない。地下鉄や路線バ

スではもっともっと珍しい体験や見聞もしたが、それらについては稿を改めて各論的

に述べることにしよう。

 

                             (以下次回)