2004.7.21

西 村 三千男 記

再び、前立腺ガンについて

 

日経の火曜日夕刊には健康・医療の欄がある。先週7/13の「ガンの粒子線治療」に

続き、今週7/20は「前立腺ガンの小線源埋め込み治療」がテーマとなっている。前立

腺に自覚症状やPSAマーカーに不安のある男性にとっては参考になる情報かと思う。

 

 昨年、当HPで武山さんと川崎さんが「前立腺肥大」を話題にされた。それに関連して

西村から、丁度その時の月刊・文芸春秋2003.9月号に掲載されていた「切るか,切

らぬか、前立腺ガン」(渡邊恒雄/本郷美則両氏の対談)を紹介した。

 

その内容を要約すると、渡邊氏は5年前に前立腺ガンの全摘手術をして完治している。

一方、米国では「前立腺ガンの小線源永久埋め込み治療」(ブラキテラピー)でメスを使

用せずに前立腺ガンを完治する方法が進歩普及している。シードと呼ばれる小さなチタン

製カプセルにヨード125を詰めたもの(70〜80コ)をアプリケーター針で前立腺に

埋め込んで、その小線源から出る放射線がガン細胞を照射し続けるのだという。保険会社

アメリカンファミリー(日本法人)の創業者・大竹美喜氏の成功例を友人である渡邊氏が

披露するが、日本では法律違反となるので施療出来なかった。本郷氏は2002年5月に

その法律に抵触せずに同等の効果を期待出来る「針金状放射性小線源の一時留置法」の手

術を国立病院東京医療センターで受け、その後順調である。朝日新聞出身のジャーナリス

トである本郷氏はその体験談を著書にして上梓し、あちこちの講演会で話し、規制緩和の

キャンペーンを続けた。

 

 昨日の日経夕刊の特集記事は上述の大竹美喜氏の実例を基に編集されている。大竹氏は

2001年9月11日(例の9.11事件の当日)米国ボストンで埋め込み治療を受けて

帰国。以来2〜3ヶ月に1度、日本の病院で血液中のPSAマーカー値を測定するなどの

経過観察中であるが、これまでのところ順調に経過している。米国はこの治療法で10年

の治療歴があり、最近では毎年5万例の治療実績を続け、完治率70%である。この症例

数と完治率はメスによる全摘出とほぼ同レベルであると記述されている。

 

日本でも法令規制は昨年7月から緩和されたそうである。聞けば、あまり実質的でない

法令を守るためにガン治療の最先端に遅れが生じている。日本で治療実績の最も進んでい

る東京医療センターでも未だ僅かに140例である。大竹氏のように米国で治療を受ける

ことは誰にでもできることではない。誰もが国内で安心して治療を受けられる体制整備が

切望される。

 

 私自身は年一回の人間ドックでオープションの泌尿器ドック(PSAマーカーと超音波

検査)を受診しているが、これまでのところ異常なく今年もセーフであった。

 

                                (以上)