2005.10.

西 村 三千男 記

連載「ドイツ化学史の旅のこぼれ話」

 

第15回 ちょっといい話

 

旅をご一緒した方々には、既に道中か帰国後にお話し済みですが、ちょっといい話を

ひとつご紹介します。

 

実は、往路のフライト機中の座席で家内がイヤリングの片方をポトリと落として紛失

しました。搭乗していたのはジャンボ2階席でした。客室乗務員と前後席の乗客の方々

のご協力を頂き、大騒ぎして探しましたが発見できませんでした。

 

そのイヤリングは友人のドイツ人彫金師の手作りのもので、家内にとってはセンチメ

ンタルバリューもある大切なものでした。そんなに大事なものを不用意に機中で着用し

たことをしきりに後悔していました。

 

客室乗務員の1人が残ったもう片方のイヤリングをスケッチして、同機の掃除をする

フランクフルトのキャビンクリーニングチームへ申し送ってくれました。そして2週間

後、フランクフルト空港で帰国便にチェックインした際に、思いがけずその紛失したイ

ヤリングが手許に戻ってきたのです。

 

帰国便の機内で客室乗務員の女性に、事の顛末を説明して「帰国後、お礼の手紙を出

したいが・・・」と宛先を尋ねました。彼女は「機内に、お客様にコメントを記入して

頂く用紙を準備していて、ご記入後はクルーがお預かりします」とのことでした。主に

乗客の苦情を受け付けるシステムのようでした。帰国1週間後くらいに、全日空成田の

客室本部の責任者(女性の課長職)から丁重な返事(お礼状のスタイル)を受け取りま

した。

 

家内の不注意はさておいて、各場面で関係した全日空のスタッフの皆さんとフランク

フルト空港のクリーニングチーム(おそらくドイツ人たち主導)の執務の品質レベルの

高さに大いに感心しました。

 

(以下次回)