2005.5.17

西 村 三千男 記

フェッラーラ(Ferrara)の思い出

 

 6月の旅行でフェッラーラに1泊を予定している。フェッラーラはボローニャからヴェ

ネツィア方向へ鉄路で約30分に位置する。その昔ヨーロッパ駐在員であった頃、同地の

Z社と言う接着剤メーカーへデンカクロロプレンを売り込みに何度か訪ねたことがある。

 

イタリアン・ホスピタリティ〜Z社の場合

Z社では、いつも購買担当ではなく、愛想のよい会長、社長が応接してくれた。会長は

映画・寅さんシリーズで柴又の団子やの何代目かのオイちゃん役、下元勉さんによく似た

風貌であった。セールストークは早々に終わりにして、世間話になる。殊に日本の話題を

お好みであった。カミカゼタクシー(当時日本語のまま通用していた)、満員電車、受験

地獄、始まったばかりの日本のモータリゼーション等々が話題であったと記憶する。商売

の話は短くても、チャーンと買って貰えた。そのうちに「今日はこれから何処へ?ランチ

の予定は?」となって、先方から「どうせ、どこかで食べるのだから」とランチにご招待

されるパターンとなる。売り込みに行って客先から招待を受けるのだから恐縮しながら、

食前酒から始まってデザートまでたっぷり2時間以上もの素敵なランチをご馳走になるの

であった。

 

世間は広いようで狭い話

 カネカに勤めている長男が海外出張の際に、現地法人に駐在する先輩のF部長さんと同

道する機会があり、道中偶然F部長からフェッラーラのZ社の話題が出たそうだ。イタリ

アン・ホスピタリティの話も含まれていたようだ。よく似た話を親父から聞いたような気

がすると、出先からメールで問い合わせてきた。直ぐに具体的に返信した。実は、私は長

男にこの話を聞かせてはいなかったのだが、ある書物に活字化したものが自宅に置いてあ

り、偶々それを読んで記憶していたらしい。一方、Z社は40年も経過する中で会長、社

長も何代も代代わりしているに違いないが、来訪したセールスマンにご馳走する伝統の美

風??は受け継がれているようだ。

 

(おわり)