プシュートとパンチェッタ      (2-24-2005)

 

西村さん夫妻のイタリア旅行の記事や写真集の中に出てくる生ハムは米国ではプシュート(Prosciutto)と呼んでいる。

 

生ハムは、豚のふとももを丸ごと塩水に漬け塩分を中まで浸透させ、それから約一年半涼しい貯蔵庫の天井からつるして熟成させる。一個が8-12Kgあり、丸ごとで200ドル位と考えればよい。市価で1ポンド(450g)が15ドルくらいにあたり、生肉よりは高いが、マグロの刺身が1ポンド30-40ドルすることを考えると、決して高くない。

 

アメリカ生まれの米国人は生ハムを知らない人も多が、大手のスーパーで生ハムを売っているところも出てきたし、イタリア食品専門店か、高級食品を売る店に行くと、イタリア製、スペイン製の生ハムが手に入る。イタリアのParma地方で生産された生ハムProsciutto di Parmaが最もよく知られているが、スペイン、カナダからの輸入品もある。Parma地方といえば、パルメサンチーズの産地としても知られている。この地で生産されたチーズはParmesan Reggianoとして売られている。味も香りも非常によいが、高価なチーズである。

 

生ハムを売る店には大きな塊のままおいてあって、注文すると非常に薄く切ってくれる。味はこってりしていて、普通のハムやソーセージとは比べ物にならに位おいしい。その理由はおそらく普通のハムやソーセージと異なって、塩以外の調味料や化学物質(たとえば硝酸塩や煙酢)が一切使われておらず、純粋な肉が一年以上の熟成をえた結果だからであるとおもう。生ハムを食べながらワインを飲むのは悪くない。フランス式のバゲットパンにはさんで昼食に食べるのが好きだ。

 

最初は生の豚と思うと少々不安な気もしたが、イタリアやスペインでは900年もまえから食べられている食料である。私の勝手な解釈であるが、肉が長時間にかけて熟成される間にたんぱく質が変化する。微生物や寄生虫がいたとしてもその細胞は同様の変化を余儀なくされ、生きてはいられないに違いない。

 

日本では生ハムがどのくらい知られているのかよくわからないが、数年前NHKで生ハムの特集番組があり、スペインで生ハムを作るところや、ワインと食べているところが紹介されていた。しかし日本でも、長野県か北海道か忘れたが、生ハムに魅せられた青年が小規模ながら生産しているということであった。

 

生ハムに関連した食品に、パンチェッタというのがある。これは生ハムの親類で作り方もそっくりであるが、ベーコンと同じ胸肉を使うので、非常に油がおおい。円柱形に巻いてあり、上等のロースハムを思わせるが、赤肉よりは白い油身のほうが多い。そのまま食べても安全であると聞いたが、普通は料理の素材にする。イタリア式のベーコンだという人もある。パンチェッタはカナダからも入ってくるが、香辛料の味が強くて好きになれない。やはりイタリア製のがいい。