20021

西村 三千男 記

続々「ポコポコ・イタリアーノ」

 

第13話 免税ショッピング(イタリアの場合)

 

ここ20年のイタリア経済ではハイテク産業も重化学工業も精彩がない。国全体とし

て研究開発による産業振興には手抜きしているのである。その分観光産業とファッショ

ン産業を重点化する立国で大成功してきている。

 

前にも東レOB・小林元氏に関連して書いたが、「第3のイタリア」のローテク産業

と伝統産業との活況がイタリア経済を牽引していると言われる。アパレル、靴、鞄、ア

クセサリー等のファッション関連から食品、玩具、磁器、楽器、家具、機械等々まで多

岐にわたっている。小林氏の解説ではイタリアファッションのブランド各社は原則とし

て国外でのライセンス生産を認めず、オリジナル製品を輸出する方針をとっている。

 

 これら産品を輸出する一方で、観光客のショッピング用に供している。いきおい、販

促手段としての免税販売とか Tax Refund がイタリアにとっては格別に重要な意味を持

ってくる。ミラノのモンテナポレオーネ通りをはじめ各観光都市のショッピング街では

免税販売があまねく定着している。イタリアの付加価値税の標準税率は20%である。

出国時 Tax Refund すれば、支払総額の約12%が払い戻される。たくさん買い物をし

た時は、面倒くさがらずに Tax Refund の手続きをトライする価値はある。

 

 当HP2003年号の「ポコポコ・イタリアーノ」第6回の蛇足にも記述しているが

2001年初夏のイタリア旅行で巧妙な Tax Refund の仕組みに出会った。税関を代行

する Global Refund 社の市中コンタクトポイントへ購入した商品と免税書類を持ち込む

と、その場で通関して税金は払い戻され、商品は日本へ発送してくれる。観光客はその

分身軽になれるし、売り手側は払い戻された税金によるショッピングで更なる売り上げ

も期待できる。この制度はローマ、ミラノ、フィレンツィエ、ヴェネツィアの4都市に

限定されていた。

 

正に一石三鳥に思えた仕組みであったが、何故か間もなく制度そのものが廃止されて

しまった。しかるに、2004年時点でも買い物の度にお店で配られる Global Refund

社のガイドパンフレットにはその仕組みが堂々と解説されていた。ミラノでそこに明示

されていた市中コンタクトポイントを訪ねていったら、留守番の用務員さんに2年位前

に制度が廃止されたと告げられた。これもイタリア的か。

 

 話が変わってしまうが、免税販売に手馴れた観光客相手のお店ではなく、地元の市民

相手のお店は免税手続きを知らないのは当然である。その様なお店、英語も話さない言

はば土着のお店で、免税でなく、ブランドとは無縁のお買い物をした場合の方が概して

結果が良好だという。これは近年イタリアでお買い物を繰り返し、経験を積上げている

家内の意見である。

 

                       (以下次回)