2006.5.31

西 村 三千男 記

 

大学講義のIT化作法

 

当HP2005年号にオハイオ州立大学中村教授の講義(準備)風景が紹介された。

パソコンのトラブルに振り回される西村のウラミツラミを綴った「パソコン〜この腹立

たしきモノ」に対する慰めの「コメント」の書き出し部分である。

 

数式、キーワードを黒板に板書する伝統的な講義作法ではなく、MS PowerPoint で準

備したものを Data Projector で講義室の Screen に映写し、学生が講義中にノートを

とらなくても済むよう、その講義ノートは Web Site に載せておくということである。

ところがさすがの OSU でも講義室の Projector やパソコンの設置状況は必ずしも万全

ではなく、データCDだけ持って教室に出かけて講義を開始するまでの準備に四苦八苦

される様子が述べられている。

 

「アメリカの大学は講義のIT化が進んでいるなぁ」と感心していたが、これは私の

認識不足であって、実は私が聴講に通学する東工大でも講義のIT化作法は一部で跛行

的に進んでいたのであった。昨年までの4年間は主に理学部、生命理工学部の講義を聴

講してきた。中には MS PowerPoint を使われる先生もおられたけれど、講義ノートは

プリントして学生に配布され、Web Site に公開されるのではなかった。今年から工学部

の講義を聴講し始めたが、その講義作法が在米の中村さんの場合と殆ど同じようにIT

化されていて、講義を始める前の準備のトラブルまでよく似ているのである。

 

 東工大のHPにOCW(Open Course Ware)というコーナーが設けられている。オープ

ンだから、誰でもパスワード無しにアクセス出来る。ここに学部、学科、科目別にシラ

バスと併せて講義ノートが公開されている。今年、私が受講している先生は講義ノート

のみならず、宿題も講義中のミニテストも提出期限を過ぎてから正解をここに公開され

ている。先生のご説明によると、このIT化された講義作法は MIT から始まったとの

ことであった。この作法を採用される先生は東工大では工学部系に圧倒的に多く、理学

部系や生命理工学部の先生方は今日も黒板に板書する伝統的作法を墨守されている。

 

                                 (おわり)