2007.8.4

西村 三千男 記

 

書評 田尊司著「脳内汚染」(2005年、文藝春秋社刊)

   田尊司著「脳内汚染からの脱出」(2007年、文春新書#573)

 

2005年に前著に出会って、日本の子供たちのために、日本の将来のためにこの本が

ベストセラーになって欲しいと願望した。が、それほど話題にはならなかった。一部の

熱心な読者たちからの要望で、先般続編が「読みやすい新書版」で出版された。

 

毎日新聞の読書欄に賢人と専門家(前著:鹿島茂氏、続編:森谷正規氏)の書評が掲載

され、両氏共にこの本を絶賛されている。その意見は説得力もある。切り抜きをコピー

して、自分の孫たち周辺、友人知人で子育て中の親たち、年頃の孫を持つジジババたち

に宣伝して、バラマいている。そのコピーをHPにも掲載して貰うことにする。

 

著者は京都医療少年院に勤務する精神科医・医学博士である。1960年香川県生まれ

で、東大哲学科中退後、京大医学部卒業、同大学院高次脳科講座で研究従事歴を持つ。

豊富なデータで子供のTVゲーム依存、ネット依存、TV依存の弊害を説く。

*TVゲームは達成感で脳内にドーパミンが放出されて快感を伴う。あたかも、麻薬、

 覚醒剤を使用した時に似て、中毒すると際限なくこの快感を求めるようになる。

*今日の、子供たちの、無気力、引きこもり、凶悪犯罪等々の深刻な精神病理は、TV

ゲーム依存、ネット依存、TV依存が原因と分析されている。

*8才児の頃に、どれだけ長時間TVゲーム等に熱中したかがその後の精神発育に影響

が大きい。

*疫学的には因果関係が明白だが、欧米でも、日本でも科学的な根拠が無いことを理由

に法規制が出来ない。行政も、政治も商業主義に太刀打ち出来ないのである。

*中でも日本が、TVゲーム等に対して子供たちの環境を最も無防備に放置していると

心配する。

 

(おわり)