NHKの番組「この人この世界」に関する感想

 

私はNHKの番組が大嫌いです。その理由は、ごくわずかな番組をのぞいては無思慮に入れられ邪魔になる無意味な背景音を、がまんして聞いていられないからです。ところが、妻がNHK番組を見ていることが多いので、つい見てしまうことになるのです。

 

そんなわけで、「この人この世界」で京都大学医学部名誉教授、家森幸夫氏の番組を見てしまいました。非常に興味深く、感銘をうけています。なかでも、貴陽の大豆食に関する情報は、自分自身の健康を守るためにもすぐに取り入れたい情報でした。インターネットでさらに調べた結果、イソフラボンはマメ科の植物に生成されるポリフェノールであること、その中でも4個の化学構造のイソフラボンが重要であり、大豆にはその内2個の化学構造のイソフラボンがふくまれることを知りました。

 

また大豆に害が多いと主張する人も多いこと、その理由は、イソフラボンは女性ホルモンと化学構造が似ていて、体内で女性ホルモンと置き換わるため、イソフラボンも癌をおこすと考えられていることも知りました。(過剰の女性ホルモンは癌を促すことが知られています。)家森氏の研究では、イソフラボンは女性ホルモンによる癌の発生を阻止することを、番組の中で話しておられ、実際、貴陽の人たちは大豆を大量に食べるのに癌が非常にすくないことを、つきとめられました。このことが、大豆に害が多いと主張する人達に、良く知られていないのでしょう。

 

番組の中で家森氏は、一日70gの大豆、あるいは豆腐一丁分、を食べるように推奨しておられましたが、毎日これだけ食べるのは大変なことです。アイオア州立大学のウェブサイトのよると、大豆100グラムあたり約150mgのイソフラボンがあるので、70gの大豆では約100mgのイソフラボンになります。一方日本人のイソフラボン摂取の平均は約20mg、私自身も豆腐、味噌汁、枝豆などの食品を通して、それくらいだと思われます。これを100mgに増やすにはどうすればよいか、おおきなテーマです。我が家では、パンはすべて自家製なので、大豆粉をいれることを検討したいと考えています。よく煮た大豆をつぶすと、肉団子、ハンバーガー、餃子などに、無理なく入るように思われます。

 

番組の中で、家森氏自身の話は、大学の教室で収録され、背景音なしに放送されたのは、非常に助かりました。一方、現地取材の収録が何度もでてきましたが、女性アナウンサーの解説はすべて背景音楽入りで、その背景音楽がどのように煩しいかをまとめると:

(1)背景音楽の音量が女性アナウンサーの音量とほぼ同じで、女性アナウンサーの話を注意深く聞くためには、背景音楽を聴かないように努力しなければならない。

(2)ザイロフォンで演奏される背景音楽は、短い主題の繰り返しが多く、聞くに値しない無意味な曲(ぽっぽぽ、ぽっぽぽっぽぽ、ぽっぽぽっぽぽっぽぽ、、、)である。

(3)女性アナウンサーが出てくると、その音楽が、毎回全くおなじところから始まり、女性アナウンサーの出幕が10回あるとすると、その背景音楽を10回繰り返して聞かなくてはならない。どんな曲でも、2回以上繰り返してきくとあきが来て、3回以上繰り返されると体が受け付けなくなります。

 

上に書いたことがどれくらい馬鹿げたとこで、なぜNHKともあろう者がそれを改められないのか理解できません。その音楽が、女性アナウンサーの話内容より重要でないことは明らかでしょう。それにもかかわらず聞かせるということは、女性アナウンサーの話をわざと聞きにくくする、つまりNHKが自己否定をしているとしか解釈の仕様がなくなります。

 

少し場所を変えて考えてみましょう。最近携帯電話の所有者がふえ、会議場に持ち込む人も多くなりました。呼出し音はたいてい音楽です。それが鳴ると、番組中の背景音楽のような働きをするわけですが、かりに非常に低い音でも、出席者にとっては、注意力をそがれます。先日シカゴである会議に出席しましたが、携帯電話の鳴ってしまった出席者は退場を命じられました。そのくらい、余計な音は邪魔になるものです。また、話をする人にとっても、聴衆のざわめく所、携帯電話でさえぎられる所、背景音楽のある所等で、講演をする気にはなれません。NHKの背景音楽は、こういう常識をすべて無視した、暴力に近い行為です。

 

私は番組に音楽を入れるなと言ってるのではありません。音楽は、選択と使い方により、聴取者の気持をやわらげ、番組を楽しくさせます。また遠い国での取材の放送で、その土地の民族楽器の音色を聞くのは楽しみです。ただし、音楽を聞かせるときは、人のしゃべらないときにしてください。10秒とか20秒そのような時間はいくらでもあるはずです。

 

NHKは画像と音声を用いた報道機関です。にもかかわらず、音声がどのように聴取者に影響するかについての認識と研究が、十年一日のごとく、なさすぎます。

 

中村省一郎

米国コロンバス市在住

2-2-2007