20012

西村 三千男 記

連載「ドイツ化学史の旅・パート2のこぼれ話」

 

第4回 ヴェーラーの墓碑銘とドイツ語のウムラウト

 

ゲッティンゲン市民墓地のヴェーラーの墓碑には名前が(Friedrich) Woehler と刻まれ

ていた。第2文字に「ö(oウムラウト)」ではなく「oe」が使われているのを見て「ん?」

と思った。これまで「ae, oe, ue, Ae, Oe,Ue」は英文タイプライターなどでウムラウト

が使えない場合の代用だとばかり思い込んでいたからである。

 後から訪ねたゲッテインゲン市内のヴェーラー像には Wöhler と「ö(oウムラウト)」が

使われていた。ウムラウトと「ae, oe, ue, Ae, Oe,Ue」とは互換性があった・・・英文

タイプライターやITとは関係なく、ずっと以前から互換性があったと見受けられる。

「ドイツ語*文字」をキーワードにしてネット検索すると沢山の情報が得られる。ウム

ラウトには言語学的に難しい背景があるようだがここでは深入りは避けておこう。

 MS Word には、ドイツ語のウムラウトを「ae, oe, ue, Ae, Oe,Ue」で代用しないで、

ウムラウトのまま表記する幾つかの方法が用意されている。私はそれらを使わずに、専ら

一太郎に付属してインストールしている ATOK 2006 の文字パレットを使っている。とこ

ろが、MS Outlook Express のメール本文にこの方法(MS WordでもATOK 2006でも)で

ウムラウト文字を書いて送信すると、送信中にウムラウトは必ず(100%)消滅するか

文字化けするのである。ウムラウト文字の混じったメールを送るには、本文ではなく添付

文書とするほかない。

 

 ところで全く別の話になるが、ベルリンの道路標識にも珍しい文字の話題を発見した。

ドイツ語では「・・通り」を「・・strasse 」(英語の「・・street)に相当)と書く。

その「ss」はドイツ文字のエスツエット「ß」の代用である。ベルリン市内で見かけた道

路標識には、このエスツエット「ß」の部分だけ何故だかヒゲ文字(教養部のドイツ語で

習った)となっていた。これはフランクフルトやデュッセルドルフでは先ず見かけない。

 

(以下次回)