葡萄ジュースと癌の治療  (3-28-07)

中村省一郎

 

葡萄ジュースが癌を治すと言うのは、余りにも簡単すぎて信じられないことだが、大豆食が乳がん、前立腺がんなどを治すならば、理解できないことはない、というのがJohanna Brandt / Fred Wortman Grape Cure For Cancerと言う見出しを最初に見たときの印象であった。小さな字体で書かれた13ページのも及ぶ長い記事であるが、要は絶食に近い状態で、種有りで色の濃い葡萄からしぼったジュースを2~3週間飲めば、癌の細胞は萎縮するということなのである。

 

京都大学医学部の家森名誉教授の出版物によれば、大豆は乳がん、前立腺を予防することが、世界各地をまわって調査した結果の統計的データから明らかにされているが、最近の米国での文献では、家森氏の結果に全く一致した意見と、乳がんの患者は大豆食を絶対に食べたはいけないという意見とがある。しかし注意して読んでいくと、最新の研究の結果はすべて家森氏の結果を支持していると言える。

 

彼の本の中にも、世界で長寿命の地域で大豆を食べていないところでは、ごく僅かな例外を除いては、葡萄を食べるか葡萄酒を多く消費した地域であることが書かれている。これに関係が深いのは、フランス人の長生きで、脂濃い物をおおく食べるのに長生きである。フレンチパラドクスといわれた。その理由は赤いぶどう酒を多く飲んでいることであることに関係があることが以前から指摘はされていたが、1998年になってRenault博士が、葡萄に含まれるポリフェノールであることを証明し、フレンチパラドクスは謎ではなくなってしまった。(最近のフレンチパラドクスとは、ルノー自動車会社が日産を飲み込んで長生きしていることらしい)。

 

家森氏の本によると、葡萄酒でなくても葡萄を食べるだけでよいという。皮も種も食べてしまうとよいというのだが、残念ながら最近の食卓用葡萄で種のあるものなど見つからない。種のある干し葡萄は、我々が子供の時代にはあったが、いまは食べたことのある人は少ないであろう。

 

バルサミコなども、葡萄の濃縮したエキスを酢にしたみたいなものだから、非常に効果があると思われるが、記事が見つからないのは、研究者の目に触れていないのであろう。葡萄の種の注出物はGrape Seed Extract として売り出されていて、ビルベリーと似た効用があるといわれる。インスタントテイーみたいな粉で、味もそっくりである。ビルベリーと葡萄の種の注出物のどちらも抗酸化物で、視力の低下を防ぐと言われている。(抗酸化物はコレステロールが酸化して血管内壁に沈積するのを防ぐ)

 

葡萄ジュースで癌を完治させたという実例や統計が研究論文として出ていると信じやすいのであるが、見つからない。それには幾つも理由があるのだろう。大豆やイソフラボンに関しても一部しか知られていないのである。いずれにしても、http://www.alternativehealth.co.nz/cancer/grapediet/grape.htm は一読に値する情報である。