2007.6.11

西村 三千男 記

再編「ポコポコ・イタリアーノ」

 

同類の4度目の連載、雑多な話題を提供します。

 

第1話 「ナポリを見てから死ね」

 

 広く知られたコトワザである。

そのココロは広辞苑によると「ナポリを見ずに死んでは生きていた甲斐がない。ナポ

リ湾の風景の美しさをいった言葉。」「日光を見ずして結構と言うなかれ」も同義とさ

れている。

 

イタリア語では「Vedi Napoli e Poi Muori」、

英語では「See Naples and then die」と書くそうだ。

 

ナポリ湾は日本人にもカンツォーネでお馴染みのサンタ・ルチア、ソレントや「青の

洞窟」で有名なカプリ島などにつながる景勝地で「世界の三大夜景」の一つとも「世界

の三大美港」の一つとも数えられている。直ぐ眼と鼻の先に見える「卵城」は1994

年、G8サミットが開催され、日本から出席していた当時の村山富市首相が急に腹痛に

なったことで人々に記憶されている。なお、その翌年にナポリが世界遺産(文化遺産)

に登録された。

「こんな美しい風景を見ずに死んでは生きていた甲斐がない」と言うのである。

 

ナポリの街は南イタリアの大都市である。明るい太陽、狭い石畳の街路、その街路の

上にビルからビルにロープを渡して洗濯物を干すのが風物詩にもなっている。ナポリ出

身者、ナポリターノは陽気なイタリア人の中でも群を抜いて陽気だとされている。ナポ

リ大学で建築を修め、10年前に来日したイタリア人、ジローラモ・パンツエッタ氏。

イタリア語教師、サッカーとファッションとイタリア料理の評論で人気の「ちょい悪オ

ヤジ」はナポリ出身であることが自慢である。

 

さて、主題のコトワザにもう一つの解釈がある。南イタリアは歴史的に貧困であった

ために、人々は海外へ出稼ぎに行くことが多かった。ナポリ湾から出稼ぎ先へ船で出航

する際に、ナポリの街とヴェスヴィオ火山を振り返り、振り返り、「出稼ぎ先から生き

て故郷へ帰りたい」との切なる思いを込めた言葉であるともいう。

 

                             (以下次回)