2007.8.7

西村 三千男 記

再編「ポコポコ・イタリアーノ」

 

第7話 シモネッタのデカメロン

 

 イタリアに関心があって、下ネタ話を嫌悪しない読者にお奨めしたい一冊である。田丸

公美子著「シモネッタのデカメロン」(2005年、文藝春秋社刊)。書名の「シモネッ

タ」は「下ネタ」をもじって、著者が自分につけたニックネームである。「デカメロン」

はご存知、ボッカチョの著作(14世紀@フィレンツェ)からの借用。雑誌「経済界」に

連載した下ネタのエッセー2年分をまとめたものである。

 

著者はイタリア語通訳。翻訳から旅行ガイド、逐語通訳、同時通訳と何でもこなす実力

派らしい。昭和44年に広島から上京し、東京外語大イタリア語科に入学した、との記述

から年齢も推定出来る。当時、イタリア語はマイナーな外国語であったために、却って希

少価値があって、学生時代からイタリア語通訳を始めた。ご自分の容姿は話題に採り上げ

ないけれど、バストのFカップはさり気なく繰り返し出て来る。

 

本書の副題は「イタリア的恋愛のススメ」となっている。全体を構成する約70話の殆

ど全てがイタリアに関係した下ネタである。

またカバーの帯の販促メッセージが凄い。

イタリアで「セックスが終わった直後何をするか?」というアンケートをとった。

17%:タバコを一服する。

13%:水やビールを飲む。

11%:シャワーを浴びる。

3%:そのまま眠る

53%:服を着て家に帰る。

本文中の「イタリアではセクハラをしないのがセクハラである」も強烈である。

艶笑小話というジャンルを思わせるが、著者は通訳を生業にして以来30年間にご自身

で実際に体験または見聞した題材ばかりだと主張する。かなり上流のクライアントが多い

ようで、豊富な話題の中にはハイレベルのものが含まれている。イタリアの上流社会、実

業界、映画等の芸能界の話題が多い。ベルルスコーニ元首相も度々話題に登場する。首相

と言えば、時の首相・小泉純一郎氏とベッドインした夢の話もあった。橋本龍太郎元首相

については中国人女性通訳との有名になった例のスキャンダルを示唆して、安上がりだか

らといって、クライアントと通訳とは性的な関係を持ってはならないとの教訓に結びつけ

ている。

 

(以下次回)