2007.8.7

西村 三千男 記

再編「ポコポコ・イタリアーノ」

 

第8話 アリタリア航空で経験したこと

 

 下に引用したのは、電気化学社の研究所長であった頃に所内LANのBBS掲示板に

書いた話題である。ヘディングを除去し日付だけにしたが、本文は原文のままで、修正

していない。

 「嘘のような本当の話」として紹介したのであったが、前回の「シモネッタのデカメ

ロン」を参照すると、この程度はイタリアでは至極ありふれたことのようである。

 

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                        Sept.20,1990

 

           続々 アリタリア航空 と 私〈止してもーーいい話 第十二話〉

 

  イタリア人男性 は 女性に会えば お世辞を云って口説くのが男の義務と考えている

フシがあります。 これは ヨーロッパでは常識らしいのですが, そんなことを知らな

い日本女性が一人旅で あんまり熱心に口説かれるので本気で惚れられたと思い込んで

ついて行ったーー なんてゴシップを聞くことがあります。

 

  以下は, アリタリアのパーサーが私の目の前で私の古女房にアタックしたという嘘

のような本当の話です。

 

  またまた 一昨年の銀婚旅行の途上, ヴェネチアからデュッセルドルフへのフライト

の場面です。 素敵な機内食を楽しんだ後の機内の免税品ショッピング。種々なデザイ

ンのスカーフをパーサーが品定めしながら 「貴女はエレガントだから,これが一番似

合う」とか何とか云って 女房の身体にあてがってみたりする。 通路側の私の上に乗

り出すようにして窓側の女房にアッタクするのでした。ウチのカミさん片言のドイツ

語は出来るけど 英語はまるでダメでして この間抜けな通訳を私が務めると云うハメ

になりました。 言葉が通じなくて歯がゆくなったのか, 今度は日本語で 「日本 ステ

, 日本女性 スキ」などとホザキおった。私もドイツの友人にコニャックでも買って

行こうかとリクエストしてみるが,彼はカミさんの方で忙しくて 相手になってくれな

いのでした。

 

  デュッセルに到着して ホテル日航 にチェックインする時, アリタリアのクルーも

ここが定宿らしく 先程のパーサーが仲間と一緒にロビーに居て, ウチのカミさんを

見つけると 大げさに手を拡げて抱き寄せんばかりにして懐かしがるのであります。

私を一顧だにしなかったことは云うまでもありません。

 

  すっかり気をよくしたカミさん 「私も イタリアが好きになりました。!!!」

 

                                                      (第十二話 おわり)

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(以下次回)