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西 村 三千男 記

「ドイツ首相、Dr.A.メルケル〜鉄のお嬢」

 

昨30日、日経ホール(東京大手町)で開催された「日独経済シンポジウム〜環境と

成長の調和」を聴講した。その基調講演は来日中のドイツ連邦共和国首相・アンゲラ・

メルケル博士であった。

 

同時通訳が困惑するくらいの早口であったが、理路整然とした約30分の講演の後、

司会の岡部氏(日経新聞社主幹)との当意即妙のQ&Aの15分が続いた。シンポジウ

ムの主題である環境問題は元環境相であるメルケル氏の得意分野である。講演と質疑の

話題は環境問題を超え、中国の知財問題や米国のサブプライム住宅ローン問題と金融、

さらに米国の格付け会社の不透明性にまで広がった。

 

 ナマのメルケル節は初めて聴いたが、講演のスピードに圧倒され、その明晰さに感動

する45分間であった。多くの聴講者も同様であったと思う。講演を聴きながらレジメ

の略歴紹介をみると、1978年ライプチヒ大学の物理学専攻を卒業、旧東独の科学ア

カデミーで物理化学の学術助手を経て政界へ進出。バックグラウンドが理系であること

から直ぐに、化学専攻の経歴を持つM・サッチャー元英国首相を連想した。

 

 帰宅してネット検索で調べた。その周辺のこと、メルケル氏とサッチャー氏が共に自

然科学者出身の保守系政治家である相似性等は詳しく述べられている。

メルケル首相の現在の夫君はフンボルト大学で量子化学の教授をされている。

「鉄の女 (the iron lady)」と対比して「鉄のお嬢 (Eiserne Mädchen)」と呼ばれてい

るそうである。私は知らなかった。

 

(おわり)