たらの木の復讐   中村省一郎  (6-18-2007)

 

日中は33C~35Cになり暑いが、日が暮れると、気温は下がりだし、夜明けには13~15Cとなるので、早朝半そでで外に出ると震え上がる。朝早く窓を開けて冷たい空気を入れ、気温が上がる前に窓を閉めてしまえば、家の中は日中涼しく、今年は冷房を入れたことがない。この夏は雨が極度に少なく、湿度が低い。遠雷は時々聞くが雨は長らく降っていない。旱魃の兆候である。

 

しかし旱魃につよいのはたらの木であるといわれる。我が家のたらは、昨年の春に一本植えたもので、今年の2月には、西村さんの、たら水栽培の情報に刺激されて、1メートル切取った。水栽培が成功したことは、以前に報告したのだが、そのあとが意外である。

 

切ったあと、たらの木は1mくらいの高さがあったが、4月半ばころ、切り口から二個の新芽がでて、枝別れしてしまった。それに、昨年は葉をつけなかった幹の下のほうからも、葉を出した。もし切らなかったら、ただ一本で上に伸びつずけたであろうと思われる。たった二枚の新芽を天ぷらにして食べるわけにも行かぬので、今年たらの芽を食べることはあきらめていた。

 

しかし驚くべきことが起こった。それは、親木から20センチないし70センチくらいの距離で。新しい木がニョキニョキ生えだして、瞬く間に十二三本の集団になってしまった。新しく出てきた木は、現在40センチから90センチくらいの高さである。親木と根がつながっているはずだが、栄養の供給はうけていない証拠がある。それは、あまり多数の新木が込み合っているので、日の射さない新木もあって、成長が非常に遅い。

 

このように多数の新木が出てくるのは、親木を半分に切られた復讐と考えられる。しかし、数がやたらと多くなったので、木のてっぺんに出てくる新芽を摘んで食べるには好都合である。たらの芽を摘むのは、新しい芽がでてから3日目くらいがよい。少し小さいが、ほろ苦く、やわらかい。摘み採っても次がすぐに出てくるので、一本の木から一週間に一度位摘める。本数が増えたので、6月に入ってから食べきれぬほど収穫した。

 

秋になったら、新木を掘り起こして、離れたところへ植えたいと思っているが、毎年十倍以上に増えると、一二年でとんでもない数になる。復讐のなきよう、水栽培はやめたほうが良いと思い始めている。

 

 

直径3センチくらいの、親木の周りに樹齢2ヶ月くらいの新木が十数本取り巻いている。それぞれ先端に新芽を出すので、それを摘み取って天ぷらにする。

親木の背は2メートルを越す。先端の二個の小枝は新芽が出てからちょうど一週間。成長が猛烈に早い。