カビが生えていた輸入米     中村省一郎   9-6-08       

 

数日前のニューズで、次のような報道があった。東南アジアから米を輸入した業者が、陸揚げ時の検査で米にカビが生えていていることが指摘され、アフラトキシンが検出されていた。販売を禁止されていたにもかかわらず、焼酎業者に販売してしまっていた。

 

アフラトキシン(Aflatoxin)はアスパーギラスフラバス(Aspergillus flavus)およびアスパーギラスパラシチィカス(Aspergillus parasiticus)と呼ばれるカビが生じる毒物である。どちらもアスパーギラスという名が示すごとく麹菌の親類で、顕微鏡写真で見ると、その繊維状に成長している幹や根が、麹菌のとよく似ているが、胞子の色と形がかなり異なる。

 

これらのカビは穀物が湿気の多い場所におかれると発生しやすく、低開発国で穀類を地面や道路上に放置することが多いために起こり、毎年中毒による死者を多く出している。これらのカビは収穫前の穀類にも、長雨や天候不順のとき発生することがある。トーモロコシの皮をむいて、茶色や緑のカビが生えているようなときは、アスパーギラスフラバスの可能性が非常に高いから、直ちにすてなければならない。

 

アフラトキシンはかなり大きな分子構造を持っているので、蒸留を行ってつくる焼酎に混入してくる可能性は皆無に近いであろう。しかし、製造工程では職人が麹や諸味の味見をたびたびするのが普通だから、そういう人たちは高い危険にさらされている。また、穀類原料を販売する業者は、各地からあつめた穀類を混ぜて販売するのが普通だから、アフラトキシンの入った米は煎餅や団子の原料として使われている可能性もないとはいえないであろう。

 

以上のようなことを知っていれば、いくら悪徳な業者でも販売は出来ないであろうと思われる。東海村の原子燃料臨界事故のときにも感じたのだが、当事者たちはあまりにも無知であり、ことの重大さを知らぬまま、金儲けのことだけを考えていたのではないだろうか。(当事者たちは臨界に関する基礎知識なしでやっていたし、原子力委員会でも臨界の知識のある人はたった一人で、しかも彼の意見は無視された。)