鼠径ヘルニアと大腸ポリープ

 

武山高之(2008.6.3記)

 

この二つ言葉は本来無関係です。ところが昨年の秋以来、私はこの二つが絡んで、ややこしいことになっていました。二つともに、私の周辺にも結構症例がたくさんありますので、参考になると思い報告します。

 

経緯

昨年の9月頃から、下腹部に違和感があり、Oホームドクターに相談しました。

「加齢による鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)ですね。まだ、急いで手術することもないでしょう。その時は専門の先生を紹介します」

と言うことでした。O先生の専門は循環器科です。鼠径部とは、太ももの付け根です。

 

ところが、12月に定期健診の時、2回の便潜血反応試験のうち、1回に+の反応が出ました。O先生と相談し、2駅離れたKクリニックに行きました。K先生は大腸の内視鏡検査の専門で、たくさんの症例を持っています。私は5年前にも同じ潜血反応が出て、内視鏡検査とともに、大腸のポリープの除去をしてもらいました。

「ポリープは悪性ではないが、放っておくと癌化することがあるので、2年後には来てください。」

ということでした。それを放っておいたわけです。K先生には、そのことを責められたあとで、検査することになりました。

 

ところが、

「ヘルニアがあると内視鏡で腸管を傷つけることがあり、危険です。そのため、肛門からバリュウムを入れる、Ⅹ線検査にしましょう」

ということになりました。もし、腸管を突き破ったりすると、腹膜炎になり、最悪の場合は私が開発した敗血症治療カラムが必要になります。そうなったら、大変。Ⅹ線検査の結果は10ミリ以下ですが、2つのポリープが見つかりました。癌ではなさそうです。

「内視鏡で取れますが、ヘルニアがあります。まず、ヘルニアを直しましょう」

と言うことで、外科を紹介していただきました。

 

鼠径ヘルニア手術

千葉市郊外の大網白里町立国保大網病院を紹介して貰いました。100床ほどの中規模病院で、自宅から車で20分くらいです。設立12年目の綺麗な病院です。鼠径部の皮下に不活性な繊維織物のパッチを入れて補強して、腸が外に出て来ないようにする手術です。手術自体は簡単で、約1時間。手術後2泊して帰宅しました。

 

下半身のみの局部麻酔で、とくに患部のある右側を強くします。ホッチキスのようなもので縫合していました。抜糸は1週間後で、まだ、動くと痛みを感じます。

 

元気で入院したが、一日で病人にさせられる

手術の前日から入院しました。手術中に腸の内容物が出てこないように、腸の中を空にしておきます。そのために、下剤を呑み、絶食して、点滴を初め、毛を剃り、臍の垢まで掃除しました。元気で入院しましたが、次第に病人らしくなってきました。点滴を始め、ストレッチャーに載せられて、手術室に向かう頃には、完全に病人になりました。

 

藤牧さんが輸入しようとしていた器具を使う

手術中と手術後には、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群と同じ)防止のために、弾性ストッキングを履き、藤牧さんが輸入しようとしていた、周期的に足を圧迫する空気式ポンプつきの装置のカフが足に巻きつけられました。藤牧さんと話していた装置を、自分が使うことになるとは思いもよりませんでした。

 

下半身麻痺を体験する

 手術中は下半身麻酔で、下半身は何も感じません。手術の様子は目の前にカーテンを架けられ見ることが出来ません。計器は見られます。医師の話していることも判ります。尿は尿道カテーテルでとられています。手術中は著しく喉が渇いてきます。下半身の麻痺は病室に帰ってからも、数時間続きました。下半身が麻痺していると、上半身を立ち上げることも出来ません。不思議なことに、膝を伸ばしているのに、曲げているように感じました。下半身が動かないと言うことは、一時的に下半身麻痺の障害者になった感があります。

 

鼠径ヘルニアが起こりやすい人は

ちなみに、老年性鼠径ヘルニアになり易いのは、80%が男性で、便秘気味、太り気味、前立腺肥大、重労働従事者が多いそうです。私は太り気味と前立腺肥大は条件に合っています。最近、私の知人でも3人の症例を聞きました。

前立腺は肥大気味ですが、腫瘍マーカーのPSA値は正常で、癌の危険性はありません。薬は飲んでいます。

 

来月は

来月には、再びKクリニックに行き、内視鏡でポリープの検査と除去を行う予定です。これは日帰り。