2008.3.27

西村 三千男 記

 

連載「ドイツ化学史の旅・パート2のこぼれ話」

 

第14回 私の大失敗(予告編)

 

2007年9月の「ドイツ化学史の旅・パート2」ではまた大失敗をやらかしてしまった。

しかも、一回の旅で二回の大失敗を、である。旅の仲間にも一緒に心配して貰って、ご迷惑

をかけた。恥を忍んでHPに告白することに幾ばくかの意味があるかどうか、「認知症の始

まり・・・、他山の石・・・、前車の覆る・・・」などの言葉が浮かぶが、ご笑覧下さい。

と言っても今回は予告編である。本編は次回をご期待頂こう。

 

実を申せば、若い頃から時々恥ずかしい大失敗を繰り返している。自分の性格を分析して、

粗忽者、あわてん坊だとは思っていない。むしろ日々慎重に行動する臆病者だと思っている。

然るに、慎重に行動しながら時として大失敗に至るので尚のこと始末が悪い。

 

 電気化学の研究所長であった頃、研究所の所内LAN掲示板に「私の失敗」という拙文の

エッセーを15回連載して好評であった。その中の1編を、何も編集せずにそのまま下に引

用する。内容が今次の大失敗のひとつと類似している。

 

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                        いんふぃに亭                        

:NISIMURA "DIRECTOR"                             27 lines   1-AUG-1991 08:53

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          私の失敗(8) パスポート不携帯  Friday - Focus 8.2 号 〉

 

   パスポートを持たずに外国へ入国したお話。また古い話題で恐縮ですが '66 欧州

駐在員の時,やっと私も現地になれて家族をデュッセルドルフに迎えた頃に遡ります。

 

   週末,家族をスイス観光に連れ出すことにしました。当時,ヨーロッパには TEE

Trans-Europe-Express)なる特急列車がありましたが,そのうちの一つ Rhein-Gold

号にデュッセルドルフから乗りチューリッヒへ向かいました。

 

   列車が 国境の街 バーゼルに近付いたころ, 私は女房に教育的指導を始めました。

「外国旅行では,何時いかなる場合もパスポート携行が重要である。ーーー 例えば旅

行中に戦争が始まったとしても,現金とパスポートさえあれば何とかなる。ーーー

ヨーロッパの様に地続きで 列車で外国へ行ける所では出発の際はパスポートコント

ロールは無くて,国境を越える附近で 出国と入国のパスポートコントロール 2回,

税関も同様に2回, そして両替の銀行が列車内へ乗り込んで来るのである。ーーー

パスポートを忘れると その段階になって慌てることになる。ーーー」と。

 

   そして 内ポケットを探したけれど私のパスポートが無い。自宅を出る時スーツか

らジャケットに着替えて入れ忘れたらしい。 さぁ,困った。 念のため車掌に相談し

てみましたが,聞かれた車掌はもっと困った。

 

   バーゼルで降りて,そこから引き返すのも止むを得ないと覚悟して,ドイツの出国

審査に事情を話すと隣接するスイスの入国審査へ廻され,そこで 結局 誓約書にサイ

ンして S.Fr.5.00(当時 500 円くらい)支払って 臨時パスを発行してもらえました。

本件は 今でもわが家で 私への反撃材料として,時々蒸し返して話題にされます。

                                                         (おわり)

 

(以下次回)