2008.10.13

西村 三千男 記

 

連載「ドイツ化学史の旅・パート2のこぼれ話」

 

第19回 学生食堂〜メンザ(die Mensa)〜キャンティーン(Canteendie Kantine

 

ダルムシュタット工科大学でケクレ記念館などを訪問した後、学内の学生カフェテリア

でランチ。珍しい体験であった。ドイツ留学経験のある藤牧さんが先導してくれた。

 

ドイツでは学生食堂のことをメンザ(die Mensa)と呼ぶ。ドイツやオランダで企業の社

員食堂は、キャンティーン(Canteendie Kantine)と称していた。メンザと呼ぶのを聞

いたことがない。アメリカでは学生食堂や社員食堂は何と呼ぶのだろう。キャンティーン

だと聞いた様に思う。

 

先ず写真をお目にかけよう。

ダルムシュタット工科大学ケクレ記念館

:武山さん編集の組写真の下段2枚

07070106.JPG

: 伊藤一男さん撮影、木漏れ日の中、屋外の長テーブルで

 

 9月中旬の或る一日、大学は夏休み中でもあって、学生の姿は少なく、メンザは混み

合ってはいなかった。隣の長テーブルには、一見して「祖父母と孫」の組み合わせなど

一般市民のグループがのどかなランチ風景を呈していた。我々の選んだランチの中身と

味は「可もなく不可もない」レベルであった。値段は格別に安く、食器類は熱湯消毒と

手荒な扱いに耐える頑丈なデザインであった。

 

そもそも、ドイツ食は全般的に味に問題があるとされてきた。その中で近年のホテル

でのブッフェ式朝食の味だけは素晴らしく向上した。美食のラテンの国々にも負けては

いない。ブロッチェンを始めドイツの食材がブッフェ式朝食に適しているのだ。伝統的

な昼食や夕食よりも朝食がよい。ドイツを旅行していると、3食共に朝食なら良いのだ

が〜〜と本気で思うことがある。メンザの食事は(レストランの昼食よりも)ブッフェ

スタイルの朝食に近いと云えるのだ。 

 

私がいまも聴講に通う東工大の学生食堂はどうか。ランチタイムには長い行列が出来

ていることもあって、大岡山キャンパスでは一度も利用したことはない。時たま行く長

津田キャンパスでは他にチョイスが無いので学生食堂に入る。アイソマーズが学生時代

に馴れ親しんだ西部食堂や北部食堂を思い出させる。残念ながら、ダルムシュタット工

科大学のメンザと比較して、設備的にも、食事の内容的にも、そして雰囲気も、格段に

劣っていると断言できる。東工大の大岡山キャンパスは、常時、一般市民に開放されて

いる。本館前の広場にはウッドデッキが設備されて、近隣の住民が子供連れでお弁当を

楽しんでいる。しかし、一般市民の皆さんが学生食堂を利用することはない。

 

                                                           (以下次回)