2008.7.17

西村 三千男 記

 

再生医療のこぼれ話(武山さんの尻馬に乗って)〜その6

 

科学雑誌「Newton」と「子供の科学」

 

武山さんも紹介されたが科学雑誌「Newton」2008年6月号にはiPS万能細

胞が特集されている。この特集号が発売されたのは山中伸弥教授の快挙がメディアに喧伝

されていた時期に当たり、世間の注目度が高かった。「Newton」誌としては異例の

こと、電車の中吊り広告も打っていた。「これ一冊で全てが解る」といわれて理系でない

人たちも購入したかも知れない。

 

私も購入し、手許に置こうかなと思ったが結局買わなかった。先ず、東工大図書館で手

に取ってみた。啓蒙雑誌であるから、多数の挿し絵を入れて平易に解説している。「トカ

ゲの尻尾の再生」「ヒトの皮膚が怪我から再生する仕組み」「クローン羊との研究関連」

「ES細胞との相違」「海外研究拠点との競合」等々である。挿し絵制作にコストをかけ

ていない故か、挿し絵が稚拙である。その安直で、稚拙な挿し絵を見ていて、子供の頃に

熱心に読んだ誠文堂新光社刊の雑誌「子供の科学」を思い出した。私が理科好きになった

キッカケの一つはこの雑誌の挿し絵であった。挿し絵で好奇心をグイグイと引っ張られた

ように記憶している。この高価な(?)雑誌を購読していたのではない。裕福な家庭の子

が買って貰ったのを借りて、その子より早く、熱心に読んでいたのである。

 

脱線したついでに、更に大脱線するのをご容赦頂く。その時代に、同じ誠文堂新光社か

ら「初歩のラジオ」という人気雑誌も刊行されていた。周囲の同級生には「子供の科学」

を読む「理科少年」の他に、「初歩のラジオ」を読む「ラジオ少年」がいた。電気店から

部品のキットを買ってきて、「5球スーパーヘテロダイン」などというラジオ受信機を組

み立てて家庭で実用化するのである。実を云えば、私も一時期、少しだけ「ラジオ少年」

になりかけた時期もあった。ラジオを1〜2台組み立ててはみたものの、配線やハンダ付

けが不器用で、友達の作品と比較しても仕上がりの見栄えが悪く、早々に諦めた。そして、

配線図をみて、組み立てるだけの作業にも直ぐに飽きてしまった。

斯くして「理屈だけの理科少年」に戻った。

 

(おわり)