孫娘との会話

 

東京に着いて次の日、アヤ(丁度4才)と一緒にデパート食品売り場に買い物に行くことになった。親からは、アヤは偏食がひどくて朝からまともな食事を食べていないので、甘いものを買い与えないように言いつけられていた。ところが、デパートの入り口に入るや、アヤのほうで先手を打ってきた。

 

アヤ「おじいちゃん。今日は特別な日だから、アヤの好きなものは何を買って貰ってもいいとママが言っていたよ」

ジジ「えー? 何がほしいの?」

アヤ「アイスクリーム」

 

ジジ「アヤの口のこっちもこっちもうそ、うそと書いてある」 

するとアヤは心配そうに大急ぎで鏡を見に行って帰ってきた。

アヤ「書いてなかった」。ジジもうそを言っていたのである。

 

夕方になってソファで休んでいたら、本を読んでほしいと持ってきたので、あけてみると英語の童話であった。読み出したら、主人公の名前の中のRの発音が悪いと言い出して、それ以上すすめない。4~5回「ちがーう」と訂正されて、言い直した。4才でも英語の発音に関してはジジの先生なのである。

 

夕食の後で爪楊枝を使っていたら、アヤがいうには、ジジの顔が変に見えるからやめてくれと言い出した。それでも歯に詰まったものをとらないわけにはいかないので、アヤの言う事をすぐには聞かなかった。そうしたら、

アヤ「その顔似合わない」

妻にも娘にもよく叱られたが、こんなにチビの孫娘も三代続きでもうすでにけっこううるさいことを言うのである。

 

中村省一郎  10-25-2009