フレンチ リビエラとグレイス ケリー

地中海沿岸自動車旅行記の中でグレイス ケリーのことに少し触れたのはほんの一月まえのことであったが、その後、彼女の主演した映画を偶然二本もみる機会があった。ひとつは、ヒッチコック作のTo Catch A Thiefでケアリー グラントが競演である。二つ目は、High Society

アメリカでは古い映画はターナー クラシック ムーヴィといって、映画専門のチャンネルがあり、コマーシャルなしに一日中映画ばかりを見せる番組があり、番組はインターネットをみれば、何が何日何時からということがすぐに分かるから、映画を見るにはまことに便利がよい。

ケアリー グラントはヒッチコックの映画には必ずといってもいいほど出てくるのだが、同じ女優は一つの映画にしかでない。To Catch A Thiefはフレンチ リビエラのニースとモナコが舞台で、その中でグレイス ケリーがオープンカーを運転し、ケアリー グラントを乗せて、崖の上の道をものすごいスピードで走る場面がある。後に彼女が事故を起こして死んだのは、まさにこの道であったのだが、その画面を見たのは、今回が初めてであった。

フレンチ リビエラが舞台の映画は数が多く、題名の思い出せない映画も多いが、最近見た映画の一つにボンジュール トリステッセという題の映画があった。女優のデボラ カーとジーン セバーグが主演する映画で、浮気な男と嫉妬心の強い女たちの話であるが、最後は崖の上の道から海岸へ車が転落して、悲劇となる。フレンチ リビエラの美しい海岸がおもな舞台である。

High Societyをはじめてみたのは、大学を卒業して数年したころだった様におもう。字幕を読みながらみたので、画面も内容もよくわかていなかったが、High Societyという内容が鼻についた記憶がある。今回は字幕もなく、会話も役者たちの表情もよくわかるところが昔と異なる。グレイス ケリーの主演だが、若いときのビング クロスビー、フランク シナトラ、ルイス アームストロングが出てきて、歌が楽しい。

話はグレイス ケリーの演じる一度離婚した女の二度目の結婚式の前日に始まる。彼女の前の夫はビング クロスビーの演じる隣の屋敷に住む歌手であるが、もちろん結婚式の前日のパーテイーにやってきて、もう一度結婚したいと口説く。女はパーテイーで羽目をはずし、プールに落ちたところを、シナトラの演じる新聞記者にたすけられ、ベッドまで運ばれる。次の朝、花婿に昨夜の乱痴気騒ぎ中の潔白の証を攻められるが、彼女はシナトラの時計がベッドから出てきたのに、何が起こったのか思い出せず、答えられない。そこでシナトラが、庭でキッスはしたけど不倫はしていないと証言し、花婿は納得する。しかし彼の態度に嫌気がさしていた彼女の気は変わってしまい、結婚式は前の夫(クロスビー)と再婚することになる。何も用意の出来ていない彼は新聞記者のネクタイを借りて、結婚式場に入る

グレイス ケリーもなかなかの役者であった。1958年ころの映画だが、High Societyにも税金が払えなくて、家を政府にとりあげられ、窓は板張りにされる家が近所にいくつもあることが紹介されていた。昔感じたいやみな印象はまったくなく、文句なく名作である。        中村省一郎 (7・13・09)

 

PS

つい先日、友人と話をしていたら、彼はモンテカルロの賭博場のパーク場の近くのを散歩したことがあるという。彼の話によれば、そのパーク場はロールスロイスやランボギーニなどの超高級車ばかりが並んでいた。そのパーク場から海岸へ出るためのエレベータがあり、それに乗ったら、モナコ王のレニエとグレイス ケリーの間に出来た娘が乗っていた。顔つきや服装からすぐに分かったのだそうだ。