韓国旅行で見たこと学んだこと   中村省一郎  10-23-2009

 

 

10月末、韓国ソウルへの旅では、地図上での主な行先はInchon、Soul、Chunchon、Suwonとなった。3泊のうち2泊はソウルの中心街のホテル、最後の日は、彼の大学院生時代筆者の研究助手を5年間してくれたJさんの家に泊めてもらった。Inchonに着いたのは夜遅かったので、正味2日の滞在に等しかったが、この間に見たり学んだことは期待をはるかに超えて大きかった。Soulについた次の日は、市場を歩いた後、市内見物のバスで回り、次の日はJさんの運転で、冬のソナタでチュンサンの高校時代の舞台となったChunchonへ行った。夕方には彼の家のあるSuwonに着き、翌朝空港リムジンでInchon空港へ行き、東京乗換えでアメリカに戻った。

 

 

ソウル周辺地図

 

 

ホテル(Fraser Place Hotel)の窓から見た景色

ホテルは30階位ある高層建築で、部屋は新しく広い。寝室と居間は分かれており、トイレとテレビがそれぞれについていた。またおおきな冷蔵庫と小さな台所、ドライヤー付の洗濯機にも驚かされた。値段は一泊150ドル。信じられない値段であった。

 

橋の下の踏切を新幹線の列車が通っているのが奇妙

 

ホテルは若い技師が設計したのか、ちょっと困ることが一つあった。それは戸棚や洋服タンスには広かったが、洋服かけの棒が高すぎて、かなり生伸びをしないと使えなかった。背の低い人には全く使い物にならないのではないかと思われた。

駅からさほど遠くないところの市場の風景

この超近代的な都市にも昔ながらの市場があり、売り子の客引く声が入り混じっている。商品の値段は日本やアメリカに比べると2/3とかなり安い。タクシーは一回乗ると450円ぐらい。

 

焼いているのはイーストで膨らした小麦粉の餅の中に砂糖とシナモンがはいっている。1個100円くらい。

ソールタワーのすぐ近くの広場での民族的行事

 

ソールタワーからの眺め(黄砂のため空がくすんでいる)

ソウルの中には、京都の吉田山のような山がいくつもある。周辺には高層のアパートで埋め尽くされている。写真は黄砂で空気がくすんでいたので上手く取れなかった。

 

 

冬のソナタの主人公チュンサンの高校時代の家(楽譜はテーマ音楽のもの)

冬のソナタの主人公チュンサンの高校時代の家はソウルがら車で約2時間のチュンチョンという小都市のなかにある。この家に入るのに一人500円くらいの入場料を取られたが、映画の中に出てくるその部屋に入れるのが面白い。ピアノもそのまま。

 

 

チュンサンが彼女と自転車に乗ったメタセコイアの並木道

この林はチュンチョンから車で30分ほどいったところにある大きな湖の中の島にある。船で渡らなければならない。下の写真で見られるようないくつも風物があって、散歩が楽しい。ソウルからの一日かかりの観光バスコースにもなっている。

 

 

 

 

 

ソウル郊外のアパート群。延々と何十キロも続く。

Jさんの家のあるSuwonはソウルから約30Km。ソウルからそこまでの高速道路から見える景色は、行けども行けども続く30~40階の高層アパート群と広い高速道路である。

住宅建設と高速道路網は日本のはるかに先を行っているのではないだろうか。このように超高層住宅を建設するためには、一階建てや二階建ての古い家屋を取り壊し、土地を整備しなおし、

広い道路を作って、町を全く新しくしてしまった。

 

なぜ韓国でこのような思い切った政策が取れるのだろうか。筆者の憶測でしかないのだが、

韓国の大統領制にあるのではないだろうか。

 

逆に日本のように政権交代の激しい国では、民主的であるかもしれないが、首相が思い切った指導権を持つことは不可能である。

 

韓国の企業の発展振りはものすごい。韓国の製品は安いから売れるというだけではなく、品質の向上が目覚しい。韓国の企業の要所要所に研究グループがあって外国で学位をとったJさんのような技術者と、日本で退職した経験者、国籍にかかわらず優秀な人材と集め、協力しあって、製品の問題点を解決してゆくと言う。

 

韓国の大学卒業生で優秀なのは、ほとんど米国や其の他の国の大学院に入学し、助手として働きながら修士あるいは博士号をとる。米国の大学では、教授が研究をするためには優秀な助手が必要であるが、米国生まれの大学院生よりは韓国、中国、インドからの留学生を助手として雇うことのことが多い。その理由は、留学生たちのほうがはるかに優秀で、よく仕事をするからである。だから、米国の大学院は、研究の仕方を米国人よりは、韓国、中国、インド人の学生により多くを教えてきたのである。そして、現在の韓国や中国の技術発展は今そのような留学生が担っているといえる。

 

日本の場合、米国への留学生はほとんどないに等しいし、またかりに留学して学位をとっても、日本へ帰国した後なかなか日本の社会で受け入れて呉れなかった。

 

最近の韓国の製品の米国における進出ぶりの向上が、なぜ技術的にはるか先を行っていたはずの日本のメーカーには出来なかったか。その答えは、韓国人のほうが米国をはじめ、外国の事情にはるかに詳しいのである。多数の日本人も外国へいったが、大半は会社からの派遣で、外国でも日本人社会にとどまり、現地の社会に踏み込むことなく帰国していった。

 

最近日本では羽田空港の国際化に関して、韓国のインチョン空港との比較が報道されることが多い。今回行ってみて、インチョン空港の広さと道路のよさは、羽田空港も成田空港もすでに太刀打ち出来ないのではないかと思われた。

 

韓国で現在Asia-No1という高速路の建設がすでに進んでいる。この高速路は、将来北朝鮮との統一が出来たとき全朝鮮半島を通過し、中国にもその高速路を延長し、さらにベトナム、タイ、インドとも結ぶという構想をもっている。これに日本が参加するのは歓迎されるだろうが、日本側には大きな問題がのこされる。それは海をどうするか、つまり、トンネルを作るか、あるいはフェリーを使うかということもあるが、日本は交通の右左が韓国や中国と異なり、また道路の規格が異なる。つまり、中国や韓国を通過してきた大型のトラックやコンテイナー車は日本の道を走れない。また車線の数もひどく少なく、常に何十キロの渋滞を起こしている。これを、いまから解決してゆかないと、将来大きく取り残される結果となるだろう。

 

正味2日の韓国旅行ではあったが、多くを学んだ。そして、韓国を訪問する前から何度か書いた私の韓国に関する観察が正しかったことが確かめられた。日本からは近いし、ぜひ数日の訪問をされることを薦めたい。