Network Structure Model

 

伊藤さんの『古川先生を偲ぶ』の『擬網目モデル』について

 

伊藤さんの報告に「古川先生は90歳を過ぎてもなお擬網目理論に執念を燃やしておられました。晩年は弟子もあまり来なくなったため、奥様を相手に難しい数式の多い理論をまくしたてらることもしばしば。奥様も悲鳴を上げておられました。たまたま自分が伺うといいカモが来たと喜ばれるとともに、奥様はほっとされていました」と書かれています。

 

私は学生時代および会社に入ってから20年ほど、繊維と接着の実用研究をしながら、レオロジーを勉強していました。『擬網目モデル』の思い出を書きます。

 

古川先生が『擬網目モデル』を出されたのは、1955年で今から54年前です。このモデルについては、先生が京大を退官された後の1985年に書かれた『高分子物性』(化学同人)に五章「擬網目モデル」、6章「擬網目モデルによるレオロジー」と22ページを割いて書いておられます。

90歳を過ぎるまで、ほとんど半世紀にわたって、このモデルに執念を持っておられたとは驚きです。私たちも見習いましょう。

数式が並ぶ理論展開には、奥様もさぞかし困ったことでしょう。専門に勉強してきた私どもでも、いまや頭脳が衰え、ついていけないのではないかと思います。

擬網目モデルは理学部の山本三三三(みさぞう)さん、A.S.Lodgeも同時に展開されていましたが、古川先生の展開は他の二人に較べて、化学屋的でした。

 

武山高之