古川先生を偲ぶ会 伊藤 一男

 

 去る3月18日に96歳の天寿を全うされた古川淳二先生を偲ぶ会が、8月2日、京都大学時計台記念会館で行われました。全国から150人ほどの関係者が集まり、アイソマーズからは川端さん、松本さんとともに私も出席しました。 
 先着順に一人ひとり献花したあと、指定されたテーブルに着き、実行委員長の山下晋三先生のもとで厳かに進められました。追悼のご挨拶は、鶴田禎二先生、野崎一先生、三枝武夫先生など錚々たる大先生方がそれぞれ懐かしい思い出、エピソードなどを交えて話されました。その中でも、鶴田先生はすでに90歳になられたにもかかわらず、背筋も真っ直ぐ、実に矍鑠としたお話し振りは、50年昔の授業にタイムスリップしたような錯覚を覚えさせられました。鶴田先生が紹介された晩年の古川先生語録のなかには、「先端化学だけが学問ではない。古い熱力学もまだまだやることがある」など、今なお東工大で量子力学をご勉強中の西村さんを喜ばせるようなひと言もありました。 
 当日は奥様がご挨拶される筈でしたが、あいにく体調を崩されたため、ご遺族と親しい満谷昭夫氏(昭和28年、旧制卒)が代わって挨拶されました。曰く、「古川先生は90歳を過ぎてもなお擬網目理論に執念を燃やしておられました。晩年は弟子もあまり来なくなったため、奥様を相手に難しい数式の多い理論をまくしたてらることもしばしば。奥様も悲鳴を上げておられました。たまたま自分が伺うといいカモが来たと喜ばれるとともに、奥様はほっとされていました」 
 文字通り、まさに全身全霊を打ち込まれた生涯現役の面目躍如たるものがあります。慎んでご冥福をお祈り致します。合掌 
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