バルセロナ見物

 

この日は一日バルセロナ見物の予定であったので、朝食の後、宿の女主人の意見に従って、フィルブランカまで車に乗り、そこで駐車をしてから、鉄道で行くとバルセロナの繁華街の中心に着くので、それからはバスで市内を回ることにした。しかし駅を探し、駐車場を探し、電車が来るのを待ち、その上フィルブランカからバルセロナ名まで電車で丁度一時間かかったので、バルセロナについたら11時半になっていた。

 

幸い、駅はバルセロナの歩行天国の始まりのところにあったので、すぐに大通りを、クリストファーコロンブスの銅像のある海岸に向けて歩いた。途中巨大な市場があって、前に来た時そこで干しアンチョビを買ったことがある。日本の市場そっくりで、魚や野菜の店の店員が、あー安いよ安いよと叫んでいる。買い物客と、買い物をしない観光客でごった返していた。

 

そこを出てくると正午を過ぎている。昭子が日本語の「地球の歩き方」とかいう本で推薦していたというレストランはすぐ近くにあった。そこでパエア(パエリャ?)を食べることにした。魚介入りの炊き込みご飯といえばよいのだろうが、日本人は炊き上がりの米に芯があることを嫌うのに対し、イタリアのリゾットでもそうだが、パエアは出来上がったとき、米粒の中が硬くないといけないところが大きく異なっている。まえにマドリッドからグラナダまで自動車旅行した時、何度もパエアをたべて気に入っていたのだが、ここのはかなり違っていた。マドリッドでは炊き上がったパエアの鍋をテーブルの中心におき、各自が好きなように皿にとって食べたのだが、ここでは、鍋を一度客にみせてから、給仕が皿に入れてもってきた。これだとリゾットの盛り方と変わらない。

 

炊き上がった飯が真っ黒である。これはおそらく、イカ墨をまぜて炊いたのであろう。それはいいとしても、旨みというものがなく、塩味だけはばかに強くて、パエアへの大きな期待はうらぎられた。日本語の本は、どうしてこんなまずい店の推薦をまことしやかに書くのだろう。目抜き通りでもあるし、観光客が必ず入るから、儲けることばかり考えて、料理人は味見さえしなくなったのだろう。

 

レストランを出たらすぐそばに、ガラスと瀬戸焼きの置物屋があった。バルセロナは画家ミロ、ピカソ、建築家でもありモザイクの達人でもあったのガウデイの活躍した土地だから、ここの売り物も彼らの影響を大いに受けているのだろう。トカゲとか亀の形や、ただ単純な四角のタイルの瀬戸焼を見ていると自分でも出来そうな気がしてきた。そういえば長い間思い出さなかったのだが、大学の卒業研究では、さまざまな金属を加えたガラスも作ったし、それを焼くための電気炉も手作りした経験があるのだ。秋ころ少し暇になったら、瀬戸焼の電気炉を買おう。上塗りの薬は複雑な無機化学だがそのころ習った知識が役にたつかもしれない。

 

バルセロナでは見物すべきものは山ほどあったが、その中でも、ミロ美術館と、ガウデイの建築物が見たかった。ピカソ美術館も非常に多くの作品を展示してるが先回来たときにゆっくり見たので、ミロ美術館もこの次にまわし、今回はガウデイに絞ることにした。