工業化学科出身の衆議院議員

                                武山高之  

 

政権交代。どうなるかなあと毎日、心配しながらテレビと新聞を丹念に見ています。

 

先ほど、NHKに民主党議員の山井和則さんという方が出てきました。私にとって懐かしい名前です。20年ほど前に彼の著書を読んだことがあり、印象に残っていて、名前を覚えていました。

 

著書は山井和則『体験ルポ 世界の高齢者福祉』岩波新書(1991年9月発行)です。

 

 当時、私は医療事業開発部長として、新しい医療機器の開発に情熱を注いでいました。会社中からいろんな研究開発のネタが持ち込まれました。そして、ダボハゼの如く、食いついて探索をしていました。今から考えると、随分と無駄をしていましたが、会社には資金力がまだまだありました。

 

持ち込まれるテーマの中に、医療を超えて介護製品のアイディアもありました。オムツやオムツカバーむけの極細繊維の不織布、尿道カテーテル、生分解ポリエステルの利用、等など。

 

そんなことで、福祉介護の本もよく読みましたが、その中に、山井和則さんの本がありました。当時はまだ、日本の高齢者ケア施設は今のように発達していませんでした。また、外国の情報も多くはありませんでした。

 

 この本は、スェーデンなどで実習した若い人の体験報告でした。自分でオムツの取替えや、自らオムツをつける体験報告もあったと思います。著者は29歳。若いのに良くやるなと感心していました。北欧先進国の介護の様子が分かり易く、短く纏められていました。 著者の経歴を見ますと、京大工業化学、1984年卒(1986年修士卒)。私たちより26年後輩です。工業化学の出身でオムツ替えの実習をやっている姿を想像しながら、いたく感心した思い出があります。

 

 彼は4回当選した民主党の議員です。民主党の影の内閣の「厚生労働副大臣」でした。今47歳。若いときから情熱を燃やしていた、このような人は本物です。

 

 舛添要一厚生労働大臣の『母に襁褓をあてるとき――介護闘いの日々』(中央公論社、1998年/中公文庫、2000年)も良い本でした。 当時、感心していた本に『医療の経済』という本もありました。著者は広井良典という若い厚生官僚でした。若い官僚にも素晴しい人がいると思いました。今は千葉大で教授をされています。

 

ついでながら、工化会にはもう一人、川端達夫さんという民主党の衆議院議員がいます。化学工学科、1968年卒(1970年修士卒)で、東レの組合出身です。40年ほど前に2年ほど、私と一緒に逆浸透膜の探索研究をしていました。昨年会ったら、「私は党内では環境・水処理に強いことになっています」と言っていました。

 

たまたま民主党の議員を紹介しましたが、私自身とくに民主党贔屓と言うわけでもありません。(2009.9.5記)