200.2
西村 三千男
 
「深刻化するロシアのアル中」
 
中村さんの最新の3部作「自家製ビール」「自家製ドブロク」「どぶろくの愉快な言い訳」
を読んで、2002年号に掲載の「火酒」(西村)と「砂糖から火酒」(中村)の掛け合いを
想起した。
 
ロシアのアル中が深刻化していると報道されている。先般、正式に発表された統計で
「国民1人あたりの飲酒量は、WHOが有害とする基準の2倍以上」
「アル中が原因の死者は年間約4万人」
「男性の平均寿命が日本に比して約20年、米国に比して約15年も短い」
「人口減少の最大の原因が飲酒」
これらをみて、メドべージェフ大統領が
「息が止まりそうな数字だ。アルコールの害は国家的惨事といえる」
として、新たな飲酒規制を打ち出そうとしている。
 
 悩みは深い。2003年号に述べた「ゴルパチョフの禁酒令」に対抗して出来上がった密造
ウオッカのインフラが今日の密造横行の遠因となっているとされる。知性派の元ソ連大統領ミ
ハイルセルゲイビッチゴルパチョフはソ連を大改革するため厳しい禁酒令を敷いた。新聞
の小話で「その結果、ウオッカの消費量減少に相当する分だけ砂糖の消費量が増加した。つま
り、庶民は砂糖からウオッカを密造して、禁酒も節酒もしなかった.」と風刺された。
 
 ゴルバチョフ氏は西側の欧米諸国でも、日本でも評価が極めて高かったが、国内的には不人
気であった最大の理由が、この「禁酒令」。明らかなアル中と見えたエリツイン元大統領の方
が国内的には人気があった。
 
 アル中の原因はウオッカだけではない。最近では、品質向上したビールのカロリーで食事の
代替えにする風潮も広がっている。
 
以上