ボツリヌス菌  (英語では  botulinus )  〔編集者注

ボツリヌスの語源ラテン語botulus(腸詰め、ソーセージ)であり、19世紀ヨーロッパでソーセージやハムを食べた人の間に起こる食中毒であったためこの名がついた。ハムやソーセージに発色剤として添加される硝酸塩は、発色作用よりもボツリヌス菌の繁殖を抑える目的で使用されている。1896ベルギーの医学者エミール・ヴァン・エルメンゲム(Emile van Ermengem)により発見・命名された。

ボツリヌス菌が作り出すボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)は毒性が非常に強く0.5kgで全人類を滅ぼす事が出来ると考えられていたため、生物兵器として研究開発が行われた。炭疽菌を初めとする他の生物兵器同様、テロリストによる使用が懸念されている。

多くはボツリヌス毒素を含んだ食物を食べることで起こる。傷口にボツリヌス菌が感染して起こることもあるが、それほど多くはない。 腸管外科手術後や大量の抗生物質を服用し腸内細菌が著しく減少している場合は発症しやすくなる。

乳児ボツリヌス症

通常のボツリヌス症と異なり、ボツリヌス菌の芽胞を摂取することにより起こる。芽胞は乳児の体内で発芽し、ボツリヌス毒素を作り出す。原因となる食物はいくつか考えられているが、蜂蜜について因果関係が明白になっている。そのため、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えてはならない19871020厚生省通達)。芽胞は高温に耐えるため、一般的な加熱調理では蜂蜜中の芽胞の除去は困難である

 

この中毒が乳児特有である理由として、乳児は成人に比べ腸内細菌叢が未発達であることや、消化管が短いことから、成人では消化管で殺菌されるボツリヌス菌が乳児では腸管まで届いてしまう為と考えられる。

  • 日本では、飯寿司(いずし)、熟寿司(なれずし)、切り込み(きりこみ)などの郷土料理による中毒が北海道東北地方を中心に報告されている(E型による)。
  • 1984熊本県で製造された真空パックの辛子蓮根を食べた36人(112県)がボツリヌス菌(A型)に感染し、内11名が死亡した。原料のレンコンを加工する際に滅菌処理を怠り、なおかつ真空パックし常温で保管流通させたために、土の中に繁殖する嫌気性のボツリヌス菌がパック内で繁殖したことが判明した。
  • 2006128厚生労働省は、井戸水の飲用から宮城県0歳男児に乳児ボツリヌス症が発症したと発表。[3]

乳児ボツリヌス症は、国内では1986年千葉県での初発例以来約20例(生後19ヶ月)の報告がある。しかし半数以上は、はちみつを食べて発症したケース。

 

  • 1995イラクにおいて20,000リットルのボツリヌス毒素が見つかり、廃棄された。
  • オウム真理教(現アーレフ)も研究していた。1993に東京・亀戸の新東京総本部(登記上の主たる事務所)で発生した悪臭騒動の原因とされる。

 

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%8C%E3%82%B9%E8%8F%8C