栃の木とバッカイ

 

栃餅というのはときどき聞くが、食べたことはない。東京のどこかで売っているところがあるのだろうか。何年も前になるが、栃の木と栃餅について調べようとしたことがあったが、インターネットにはほとんど情報がなくて断念した。

栃の木に関心があったのは、実はオハイオ州の州の木というのがバッカイ(Buckeye)といって、日本語訳が栃の木になるからである。バッカイの実(左の写真)はオハイオ州立大学のマスコットでもあり、大学近傍のみやげ物屋に行くと、商品の様ざまなデザインに使われているし、バッカイの実のネックレースなどが売られている。またバッカイの実をなぞった菓子もある。

 

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バッカイの木はオハイオ州ではよくみかける。実際我が家の両隣の庭にも一本ずつあったが、一本は風で倒れ、もう一本は今もあるが、そばの木が大きくなって影をつくるので、花が咲かなくなってしまった。

 

パリのマロニエの並木道というのは、栃の木かバッカイであるようだ。栃の木もバッカイも5月に黄色あるいはピンクの房状の美しいがすこし変わった花を咲かせる。

 

ところで、栃の実はとち餅として食べられるのに、バッカイの実は食べてはならないと教えられている。その理由がよく分からないので、少し調べる努力をした。

 

栃餅の作りかたに関する記事が今回はみつかり、それによれば、栃の実は渋が非常に強いので、たいへんな手間をかけて渋抜きをする。まず栃の実は一度完全に乾燥させ、それから川の水に10日間したし、それから皮をむいてから、灰と混ぜて10日間放置してあく抜きをし、長時間ゆでるという。それでも、栃餅には苦味があるらしい。

 

とちもち

(栃餅と栃の実の写真:栃の実をバッカイと比べると、よくは似ているが、いろの薄い下の(尻の)部分の大きさがかなり違う)

 

「面食らう」の由来
 
・栗のような形の実(み)はすりつぶして渋抜きして 
「とち餅」にする(そのままでは渋くて食べられない)
 また、この栃の実は縄文時代から重要な食料で、 
どんぐりなどとともに主食の一部だった。 
面食らうのことわざの由来】 
栃の実から、そばに似た「栃麺(とちめん)」を 
作ったが、粉を練ったものがすぐに固まって 
しまうためにあわてて麺棒をふるう必要があった。
 「栃麺、棒をふるう」 
「栃麺、棒を食らう」 
「麺、棒を食らう」 
「麺、食らう」 
「面食らう」と変化し、 
あわてふためくの意味となった。 
・栃木県の県の木(栃の木) 

http://www.hana300.com/tochin.html

 
 

 

一方、バッカイが食べられるかについては、昔インヂアンが食べていたという記述がある以外、(1)食べてもすぐには死ぬことはないが、毒が強いので食べてはいけないという記事(Buckeyes (also known as horse chestnuts) are in fact poisonous. It indicates that the leaves, sprouts, and seed (nut) contain a poisonous glycoside called esculin. The entry goes on to list symptoms such as twitching muscles, weakness, loss of coordination, dilation of pupils, vomiting, diarrhea, depression, paralysis and stupor.)と、(2)苦労してバッカイなどを食べようとしないでも、くるみ、ヒッコリ、アーモンド、ヘーゼルナッツなどいくらでも美味しい木の実があるではないかという記事、の二種類にわかれる。

 

ここで一つ注目すべきことは、それらの記事でバッカイとホースチェスナッツがおなじ植物として扱われていることである。そこで学名をしらべると

 

バッカイ       Aesculus Glabra

ホースチェスナッツ  Aesculus hippocastanum

栃の木        Aesculus Turbinata  

 

Ohio buckeye horse chesnut

バッカイの葉は5枚が一組、ホースチェスナッツは7枚、栃の木は5枚

ホースチェスナッツはバルカン半島原産で、バッカイはアメリカが原産地である。(アメリカンインヂアンの食べていたのはホースチェスナッツであったという記事があったが、これはいいかげんな記事であったのだろう)。

[Aesculus+hippocastanum+NOT+edible.JPG]

しかし、根気よくさらに調べてゆくと、次のような記事がみつかった。つまり、バッカイとホースチェスナッツは注意深く準備すれば食べられるというのである。これで、アメリカのバッカイが栃餅と繋がるようである。(Buckeyes are several similar but often smaller North American species of the same genus. Horse chestnuts and buckeyes (as the nuts too are called) somewhat resemble true chestnuts in appearance but are edible only after careful preparation. Some Native Americans ate buckeyes in large quantity after thorough roasting or leaching.

 

筆者の本棚にある薬草の本には、バッカイやホースチェスナッツの薬用効果に関する記述は見当たらないが、インターネットにはホースチェスナッツのサップルメントが足の静脈の血行に利くとして売り出されていた。