アメリカの猫と魚

 


Bluegill
(ウィキペヂアより)

 

子供達がまだ小さかったころ、子供と一緒に近所の川で魚を釣ってきた。釣れた魚はサンフィッシあるいはブルーギルと呼ばれている種類で、えらの後ろにかなりおおきな丸い斑点があるためこのような名前がつたのであろう。川では良く釣れた。家に持ち帰り水槽に5~6匹入れておいたのだが、えさをやると必ず食べるのは一匹だけで、他のが食べようとしてもその一匹に攻撃されて、隅のほうに閉じ込められて動けない。

 

他の魚が気の毒なので、ボスになった魚を掬い上げ、飼っていた猫にあたえた。アメリカに住んでいる猫だから魚などは見たことがなかったはずである。数分は跳ね回る魚をみて思案してるようすであったが、そのうち食べはじめた。しばらくしてどうなったかを見に行ったら、骨も頭も食べつくし、残っていたのは口先のくの字になった骨だけが、蝶番のついたまま上下とも残されていた。猫はどこに住んでいても魚が大好物であることが分かった。

 

一方水槽のほうでも次の異変が起きていた。憎たらしく意地の悪いボスが居なくなったはずだが、次に強いやつがボスの座に収まり、餌はそれだけが食べ、他のは前と同じように隅にかたまっていた。日本の、鯉、フナ、モロコなどは、多数一緒に水槽にいれてもこのようなことにはならない。

 

ブルーギルは北米に多く生息する淡水魚で、イリノイ州の州魚である。ところが日本とも少々不幸な関係がある。1960年に現在の天皇が皇太子であったとき、イリノイ州の知事がこの魚を贈ったのである。皇太子はそれを養魚場に寄付した。ところがそれが日本の河川に逃げこんで繁殖をはじめ、日本の従来の淡水魚に大きな被害をあたえたのであった。このとで皇太子は国民に謝罪したといわれる。

中村 5-3-09