2009.7.27

西村 三千男 記

再編「ポコポコ・イタリアーノ」

 

第19話 アマルフィとレモンチェッロ

 

日本映画「アマルフィ女神の報酬」を観た。題名のアマルフィに惹かれたのである。フジ

TV開局50周年記念制作として華々しく宣伝されている。主な出演者は日本人であり、日

本語で進行する日本映画であるが、全編イタリアで撮影されている。主題であるアマルフィ

とローマの風景を堪能出来る。映画の内容紹介や感想は、これから観る人のために書くのを

差し控え、この映画の「こぼれ話」を述べてみよう。

 

世界遺産イタリア縦断1200キロ

アマルフィの名前を知ったのは2005年7月にNHK―TVで放映された「世界遺産イ

タリア1200キロの旅」であった。その第1回目のプロローグ編がアマルフィであった。

それ迄、このユニークな都市を「観たことも、聞いたことも」なかった。現地ロケの案内役

は建築歴史評論家・陣内秀信氏(法政大学教授)、イタリアの達人である。

 

イタリアの達人・陣内秀信氏

地中海都市の建築・歴史を研究するスペシャリスト。1990年代から法政大学の学生を

引率してアマルフィを始めとする海洋都市の系統的なフィールドワーク研究に取り組んだ。

実は、この分野はイタリア人も手を付けていなかった。フィールドワークであるから、個人

住宅にも立入って計測などの調査もするので、住民との親密な接触も生まれる。NHK番組

の現地ロケ案内役としては「打って付け」であった。氏は東大工学部建築科出身の工学博士

である。以前にもNHK人間講座「地中海都市のライフスタイル」(2001年6〜7月)

の講師として出演されていた。これをアイソマーズ通信2003年号の

連載「ポコポコ・イタリアーノ」第6回イタリア旅行〜2001年初夏

<http://isomers.ismr.us/isomers2003/italiano6.htm>

の末尾に紹介している。手許のテキストを見て、第1回ナポリの項にアマルフィ

も詳しく述べられているのに気付いた。

 

アマルフィ

イタリア最古の海洋都市、ヴェネツィアやジェノアよりも先輩格だという。中国から導入

した羅針盤を海路航法に初めて実用化したのがアマルフィだと伝えられている。イタリアの

夏のリゾート地。背後を断崖絶壁に囲まれ、海に面した人口6千人弱の小都市で、鉄道のア

クセスが無い。古くは海からのアクセスのみであったが、現在は陸路の自動車道路も開通し

ている。天嶮親不知のイメージでもあるが、陣内秀信氏は尾道に似ていると指摘する。ナポ

リの更に南、ソレントからバスで時間距離90分である。ヨーロッパで、知る人ぞ知る秘境

リゾートであったが、最近では日本人にも急速に人気が高まっている。JTBのガイドブッ

クにも掲載されている。ホテルが少なくて、団体ツアーは海路アクセスか陸路バスで日帰り

するようだ。(注:Amalfiの風景, Amalfi Coast Video, Positano, Amalfi地図)

 

アマルフィ誕生の伝説

アマルフィ誕生の伝説、命名の由来は映画の中で語られているし、インターネットにも詳

しい。ここでは敢えて受け売りするのは避けよう。

 

リモンチェッロ

レモンの皮と砂糖をアルコールに漬け込んだリキュールである。この地方で、ローカルに

嗜まれてきた食後酒が、観光客によって、イタリア全土へ、そして更に世界中へ広まった。

2008年末の家族旅行で、ボローニャのリストランテで夕食した食後に、注文しないのに

カメリエレからリモンチェッロがサービスされた。「頼んでないよ!」と云えば、ウインク

が返ってきた。グラッパに較べれば、遙かに安価な食後酒なのである。近年、急速にポピュ

ラーになって、日本の酒店でも容易に入手出来る。世界の他の果実酒と違うのは、漬けるの

が蒸留酒ではなく高濃度(95%)アルコールである点だ。前述のNHK番組「世界遺産イ

タリア1200キロの旅」では、アマルフィがリモンチェッロの発祥地であると紹介されて

いた。この地方特産のグレープフルーツのように大きなレモンがその原料であるが、これは

そのまま果物として生食も出来る。(注:Limoncello情報

 

サラ・ブライトマン

イギリスのソプラノ歌手。映画のクライマックスのシーンでは、イタリア大統領夫妻の前

で長時間のソロで歌う。現住所で、元NHK記者Tさんの家族と懇意にしている。Tさんの

元同僚の夫人が、全くの偶然ではあったが、私と同じ日の、同じ時間に、同じ映画館(日比

谷スカラ座)でこの映画を鑑賞していたそうである。彼女のお目当てはサラ・ブライトンの

独唱シーンであったという。(注:Sarah Brightman出演のTV映画其の他、

独唱試聴

(以下次回)

(注は編集者が挿入)