西村さんの第20話 映画「アマルフィ女神の報酬」を読み、19話を読み返し、また編集者注のビデオも見直していたら、前回には注意を払っていなかった事実に気がついた。それはアマルフィ(Amalfi地図はベスビアス火山の近くにあることである。ベスビアス火山はローマ時代にポンペイの町を灰で埋め尽くした火山で、英語の教科書で習ったこともある。

 

ビデオでは女性がオープンカーでナポリからアマルフィまでの自動車旅行をテープで紹介しているが、ナポリを出たあたりから遠景にみえるのがベスビアス火山であり、また火口らしきところから煙の出るところも通りすぎている。

 

アマルフィ周辺は美しいところだが、ホテルが一泊700-1000ポンド(またはユーロでもほぼ同じ)と高いから、日本で知られ始めていても、行儀の悪いおのぼりさんでごっちゃりという心配はないだろう。ナポリからレンタカーで行くのがよいかもしれない。この次イタリアに行ったときの候補地の一つにさせていただこう。

 

セアラブライトマンの歌についてであるが、ニューヨークのブロードウェイの有力歌手であっただけに、確かに歌が旨いし、クラシックからポップまでものすごい幅をこなしている。しかし、ミーハー的な歌で聞いていられないようなのも多い。西村さんご紹介の映画は、アメリカで見る機会はないに等しいので、日本でチャンスがあれば見たい。

 

話はそれるが、先日1957年に作られたケアリーグラントとデボラカーの演じたThe Affair to Rememberという映画をみた。大西洋横断は汽船でやっていた時代の話で、汽船が寄航したしたさきにケアリーグラントの演ずるニッキイの祖母の家を訪ねる場面がある。その祖母は若いときはピアニスト、夫は以前外交官であり、退職後海岸の近くの景色の美しい高台に立てたしゃれた家に住んでいた。ニッキイの祖母(ピアノ)とデボラカー(歌)の二重奏が聞くに値する。

 

その港の景色をみて一瞬アマルフィとも似ているなと思ったが、本当はマデイラ(Madeira)島であった。聞きなれない地名なので調べたら、ポルトガルの南端よりもさらに南西にある島で、ヨーロッパ-アメリカ往復の客船がよく寄航したという。地中海の入り口には近いので、それならあまり遠回りにはならないが、イギリスやフランスとニューヨークを行き来する航路からは随分ずれている。

 

しかし、帆船で太西洋を行き来していた時代は、アメリカ行きは南に下がってから西に航海し、ヨーロッパゆきは太西洋の北側を通ったのであるが、汽船になった時代でもこのような航路を使っていた可能性は十分にあると思う。その理由は、風も海流も南に行けば西向き、北では東向きであるからだ。

 

中村省一郎 9-14-2009