川端氏と関西シテイフィルハーモニー

 

川端成氏は、筆者とは大学時代の同級生で、大阪出身でもあり、また大学時代京大オーケストラで一緒に演奏会などの活躍をした仲間でもあった。卒業後は彼は京都工芸繊維大学の化学工業科の教授となり、筆者はアメリカのオハイオ州立大学の機械工学科で教鞭をとることになった。学生時代からバイオリンの上手な人で、在職中も音楽活動を続け、オーケストラでは好んでビオラを弾いていた。

 

卒業後は20年も前のことになるが大阪で一度会ったことがあり、そのとき、ベートーベンのバイオリンとピアノのためのソナタ第5番「春」の全曲を、彼はバイオリンで筆者はピアノで合奏をした記憶がいまだに新しい。筆者のほうは、その後指の大怪我で、ピアノの練習をあきらめたが、彼はますます研鑽を積み、数年前に教職を退職した後も関西シテイフィルハーモニー交響楽団で演奏を続けた。

 

関西シテイフィルハーモニーの演奏が優れたのものであることは、彼の手紙で読んではいたが、つい最近第47回定期演奏会の録音CDを送っていただくまで聞く機会はなかった。

 

曲はマーラー作曲交響曲第二番「復活」で、5楽章あり、全曲80分をいう長い曲である。この曲は非常に大編成のオーケストラに、2人の声楽ソリストと大合唱団が必要であり、難曲である。このCDを聞いて驚いた。演奏の芸術的な高さと奥の深さ、技術的にも立派で、これは小沢征爾がボストン交響楽団を指揮して録音した音楽とくらべても遜色はない。関西シテイフィルハーモニー交響楽団の演奏は、日本の専門のオーケストラでは出来ない優れた演奏をしていると聞いてはいたが、まったくその通りであることを実感したのである。アメリカでも有数のオーケストラでなければはこれだけの演奏は出来ないであろう。

 

このウェブサイトの読者の方たちに聞いていただきたいが、全曲をウェブサイトで聞かせるのは無理である。この曲の最も代表的な第5楽章だけでも32分と長い。そこで、第5楽章だけを、冒頭と声楽の入る後半とを結び、その中間を省いてかなり短くして掲載した。ご了承いただきたい。(MP3方式)

 

このCDが市販されているかどうかはよくわからないが、その楽団事務所に直接交渉すれば手に入るかもしれない。

 

中村省一郎    6・17.2009