応答

西村さんの面白い話楽しく拝読しました。ドイツ人が黒パンで胃腸の調子を整えているとは知りませんでした。フスマ粉を探して、パン屋に頼んでパンに入れて貰ったというのも愉快なはなしですが、パン屋はさぞ苦労したことでしょう。というのは粉を精製するというのは、パンを白くするというだけでなく、フスマ粉が入っていると、イ-ストの作る泡にフスマ粉の粒の角が突き刺さってガスが抜けてしまうからです。そのために普通のイーストだけではパンは膨らみにくくなるのです。サワードーではこの問題が起こらないので、全粒のパンでサワードーが用いられるのはここに大きな理由のひとつがあります。日本でフスマ粉は動物に食べさせているとはしりませんでした。アメリカ人は麹はたべないけれど、競走馬に食べさせています。

 

 

 

ところで、ウィキペヂア英語版に上の写真が出ており、これがドイツのパンパーニッケルでアメリカで買えるチャンスは殆どないと書いてあります。西村さんの書かれたパンパーニッケルもこのように真っ黒ならおそらく私の探している黒パンはこれなのでしょう。真っ黒な色は、前にも書きましたが、オブンで蒸気を立てながら250Fで16~24時間焼くことによって出るそうです。

 

ただ、少し異なる可能性も考えられるのは、アーヘンのあたりは、食べ物がドイツの他の地方とはかなり違っています。たとえば肉の料理というと、焼くよりは長時間煮たものがどこでも出され、その地方の料理の仕方だと教えられたのです。アーヘンはベルギーにもオランダにもすぐ近く、フランスからも遠くありません。そのような地理条件から、独特の地方色が出るのかとも思いました。

 

話が変わりますが、4日まえからサワードーをつくり始め、今日小さな黒パンを自分で焼いて見ました。練り粉は3つに分け、一つ目は混ぜものなし、2個めはココア入り、3個目はココアとコーヒー入りにしました。16時間焼く予定で焼き始め2時間はたったのですが、とても明日まで待てなくなり、今回は温度を上げて30分で焼き上げてしまいました。

結果は写真の皿の上左から、1,2,3。味はココアとコーヒーの入っていない1は確かに黒パンの味です。2と3にはもう興味がなくなりました。1をこの次もう一度やるとき16時間焼いて見ます。ただ、オブンの中で長時間蒸気をたてて置かなければならないというのは玄人の道具がないと不可能に近いことで、むしろ圧力鍋(2気圧で250F)のほうが条件がそろいそうです。これで真っ黒なパンが出来れば、一応好奇心は満足するでしょう。ただし、味のほうはやはり一度アーヘンに行かないとならないようです。来年の化学史の旅を楽しみにしていましたが、それがないとすれば、ソーセージと黒パンを探す旅を考えたいと思います。

 

中村省一郎  11-7-09