2009.11.7

西村 三千男 記

 

中村さん、それって「プンパーニッケル?」

 

中村さんの最新稿「ヨーロッパで食べたい物、2.黒パン」を読んで、「それって、

もしかしてプンパーニッケル?」・・・と聞きたくなった。

プンパーニッケル・・・独特の黒色で、ずっしりと重たい、この不思議な、珍しい名

前のパンはドイツ通、パン通にはよく知られている。私はこのパンの作り方は知らない

が、その原料がライ麦の粗挽き全粒粉であると聞いたことがある。ずっと以前、親しい

ドイツ人から次のように解説された。「プンパーニッケルはおなかの調子を整える。食

味よりも、整腸目的で時々食べる。大きな声では言えないが、これを食べるとオナラが

頻発するよ」と。

 

日本人は伝統的に野菜や海藻から食物繊維を沢山食べているが、ヨーロッパの人々、

殊に、中でも、ドイツ人やオランダ人は食物繊維の摂取量が少ない。それを全粒粉パン

で補充する生活の知恵かも知れない。1978年、アクゾとのJVプラントの立ち上げ

のために、オランダ人グループが日本に長期滞在するのをサポートしたことがあった。

その頃、新潟の片田舎では勿論のこと、東京でも全粒粉パンは入手容易ではなかった。

毎日、白いパンばかりで体調をくずした彼等のために、緊急対策として、競馬の厩舎で

飼葉に使う「フスマ」を彼等の食用に手配したウソのようなホントウの話があった。

 

 最近でも、ドイツのホテルの朝食ブッフェでは、薄くスライスして数枚ずつ包装され

たプンパーニッケルはよく見かける。中村さんが探し求めて、未だ出逢えないと云われ

る「まぼろしの黒パン」はプンパーニッケルとは別物かな。私は、ザワーブロート、ブ

ラウンブロート、ライ麦パンを好んで食べるけれど、旅行中もプンパーニッケルに食指

が動くことはない。

 

 当アイソマーズ通信2007年号の「自然発酵二題」と「カスピ海ヨーグルト」の中

で、中村さんと西村の間で「サワードブレッド〜ザワーブロート」を問答したことを思

い出す。

                              (おわり)