春の進行                

 

ごぼう:今年のコロンバスの春は3月初旬に始まったといってよかった。凍っていた土は、例年よりも3週間は早く融け、耕せる状態になっていた。こうなるといち早くやりたいのは、ほうれん草、春菊、ごぼうの種をまくことである。庭でできた牛蒡は、形はよくないが味は比べ物にならないくらい美味しい。

 

ほうれん草と春菊の種は、昨年のが残っていて問題なかったが、ごぼうの種がなかった。というのも、昨年種の出来かけたごぼうを大事にしていたのだが、きたなくて庭にはふさわしくないという理由で昭子がさっさと切ってしまった。そこで、20年も前に最初に種を入手したのは、日本食品店であったのを思い出して行ってみた。しかし、その店の主人が出てきて、「種問屋は4月にならないと種の用意が出来ないので送ってこない、第一、3月初旬に種をまくなんて常識ない」と説教をくらってしまった。言い争ってもしかたないので「あーそうですかー」と言い残して出てきた。

 

牛蒡は寒さに強い植物で、秋に生えていたものは、どんなに寒い冬でも根は死なないで、次の春には一番に葉をだし、5月ころには花を咲かせる。ところが種が出来るまでには、たっぷりと二月くらいの時間をかけるので、昭子のお冠となるのであろう。幸いそのような冬越しのごぼうが数本あったので、「今度種の出来そうなのを抜いたら、家出するからね」とすごんでおいて、夏まで待つことにした。種は一年中いつ撒いてもよい植物で、例えば冬の直前に撒いておくと、春一番に土が融けるとすぐに芽をだすのである。

 

タラの芽:昨年、植えてから3年目になったタラの木は、幹が30本くらいに増えてしまった。案の定、これも4本をのこして全部切られてしまった。例年はタラの芽が出てくるのは4月下旬であるのに、今年はてんぷらに出来そうなのがいくつかできている。

 

切り取った枝を、冬の間、庭の隅に積んであったので、水栽培を思い出して、大きなバケツに水をいれて、枝を10本くらい挿しておいた。芽がいくつもでそうである。

 

タラの木は切られると復讐をする。切ったあとの土からは無数の芽が出てくるはずだ。昭子はそのことをまだ知らない。それをみたら何て言うか知らぬが、それまでは何も教えない。どんな反応をするか見たいからである。

 

桜と木蓮:庭の桜と木蓮は昨日満開にちかくなっていた。しかし夕暮れころから気温がひどく下がり、友人と外食に出かけたときには寒くて、車からレストランまでの距離を歩いただけで歯ががたがた音をたてるくらい震えてしまった。おそらく今朝はひどい霜で、せっかく咲いた花は全滅であろうと思われたが、幸い夜が明けてみるとおだやかな日が始まっていた。

 

蕗のとう:4~5年前に初めて植えた蕗だが、寒さに強い植物で、二月始めには雪を押しのけて蕾がでてくる。それが三月半ばまで続くのである。蕾を切り取って、炒めてから甘い味噌に混ぜると、ほろ苦くて特有の春の味覚がある。日本では見たことも食べたこともなかった。どうしてこんな旨いものを市販しないのだろう。

 

アスパラガス:アスパラガスは苗を植えてから収穫まで3年かかる。しかし、取れだしたら毎年春から夏にかけて収穫でき、手間がかからない。何より有難いのは、庭でとれるアスパラガスには甘みがあって、味の良さは市販のとは全然比べ物にならない。白いアスパラガスも出来ないことはない。日が当たらぬように、砂を盛っておくだけでよい。しかしどう見ても、白いアスパラガスはグリーンのアスパラガスよりも味が落ちる。そのため、白いアスパラガスを作る努力は放棄してしまった。                          中村省一郎 3-8-09

 

蕗のとう

タラの芽

水仙

水仙