2009. 8. 2
西村 三千男 記
紫外線と皮膚がん
モントリオール議定書の採択から約20年、ここに来て「紫外線・皮膚がん」の
議論が喧しい。オーストラリア、ニュージーランド、北欧諸国、EU諸国等の白人
社会で皮膚がん増加が深刻化しているようだ。
南仏ニースから驚きのNHKだより
今朝(2009.8.2)のNHKTVは南仏の高級リゾート地ニースから驚き
のニュースを伝えた。海岸で日光浴をする人々が、幼児にはサングラス、UVカッ
トの長袖シャツ、帽子を着用させ、極端なケースではUVカットのテントを使って
いるのだ。日光浴とUVカットはそもそも相反する事柄であるから、漫画的光景で
もある。何でも、EUから「幼児を紫外線から守れ!!」という公式な警告が出て
いるらしい。番組では警告シンボルマークも紹介されていた。皮膚がんが北欧諸国
やEU諸国で統計的に増加しているらしい。
年間を通じて日照の乏しい北欧、中東欧の国々では、南欧のリゾート地で滞在型
の夏休みをとることで太陽光線を補うのが習慣であった。これらの国々に多かった
「膝の痛み」や「くる病」と日光浴が関連して語られてきたのである。
オーストラリア、ニュージーランド
昨年、一昨年の一頃、ニュージーランドは皮膚がん発生率が世界最高であると喧
伝された。最近の論調はオーストラリア、ニュージーランドと一括りに語られるよ
うになっている。年間を通じて、晴天が多く、紫外線の年間暴露量が日本の7倍、
大洋州の上空にオゾンホールが存在するとも信じられている。統計的に解析すると
居住者のうち白人種/アジア系人種/ポリネシア系人種の間で、皮膚がん罹患率に
有意な大差があるという。
NHK「名医にQ・紫外線・皮膚がん」
私たちが子供の頃、日光浴は推奨されていた。シイタケを食べて日光浴をすると
体内でビタミンDを産生して「くる病」を予防すると説明されていた。最近では、
日光浴の効用よりも弊害の方が強調されている。日本でも白人社会ほどではないが
皮膚がんは徐々に増加しているようだ。サングラス、アームカバーなどの紫外線対
策グッツが盛んになってきた。男性用のUVカット化粧品や日傘までも売れている
そうだ。
NHKの「きょうの健康」や「ここが聞きたい!名医にQ」で、両番組並行して
2009年7月に紫外線と皮膚がんをテーマとりあげた。勿論偶然であるが、その
番組中で「メラノーマ」を詳しく解説された名医は、私の現住所の隣人である。
(おわり)