4.大学院課程を終えた留学生の能力

 

前2節で修士課程と博士課程での留学生活の概略を述べた。これえらの課程が留学生に与える影響は英語と基礎学力の面で大きい。

 

英語の能力は、読むこと、聞くこと、話すことから成る。留学生は毎日朝から晩まで英語で読み聞き話して暮らしているから、その発達の速度は究極的である。留学生の得る英語の能力は、大学卒業後すぐに就職した人がどんなに努力しても太刀打ちできるものではない。

 

学力に関しては、工業高校卒と大学卒が同時に同じ職場に就職したときに見られる差が、大学卒ですぐに就職した人とアメリカの大学院の修士課程を経た人との差に似ている。

 

大学卒と高校卒の違いは、大学卒は高校卒より一般教育を二年以上長く受けている上に、専門の基礎学科を二年長く学んでいる。就職して直ちに現場で仕事が出来るのは工業高校卒であるが、より高度な仕事は大学卒にはかなわない。アメリカの大学院の修士課程を経た留学生は、講義で基礎学科の高度の知識を一年半はみっちり勉強し、助手などの仕事を通じて教授から研究の仕方の指導を受けてくる。また論文の読み方書き方を学ぶ。基礎学科の講義の内容は非常に広い。またアメリカの社会の中で暮らすから、異なる文化の思想と習慣に接触の経験が大きい。博士課程を修了した留学生の能力の増加は修士課程の二倍以上であろう。

 

アメリカの大学院を終了した留学生の特徴の一つは、技術能力の幅が非常にひろいことである。その理由は、彼らがパスしなければならないいくつかの厳しい試験の幅が非常に広いことにある。したがって実社会に出てから直面する課題が大学や大学院の専門と同じでなくても乗り越えてゆく力がでるし、また他の分野の人と共同作業するときに、相手の理解がしやすい。

 

中村省一郎 

11-21-2010

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