(4)オペラ

 

若いときはオペラがあまり好きではなかった。それにオペラは、前もってかなり予習をしておかないと話の筋道がさっぱり分からない。以前にウィーンでラボへームというオペラを見たことがあったが、確かイタリア語で、何も分からなかった。

 

ニューヨークのメトロポリタンオペラへ行ったのはこれが2回めである。1度目にオペラを見たのは20年も前のことで、昼過ぎにオペラ劇場の前で散歩がてら看板を見ていたら、その日の券を売りたい人が近ずいてきて、2まい半値で買ってくれないかという。半値でも当時で一枚100ドル以上はしたのだが、入ってみたら一番高価な席だった。出演者の猛烈に多いオペラでどぎもをぬかれた。普通のオーケストラと少し人数の少ないバロックオーケストラが入れ替わり演奏し、大勢の歌手と合唱団で総勢300人はいたと思う。舞台装置も非常に凝った大掛かりなもので、人間にこんな贅沢が許されてもよいのかと疑問に思えたことだけがいつまでも記憶から消えないのに、オペラの題がどうしても思い出せない。

 

メトロポリタンオペラでは5個くらいのオペラが日ごとに入れ替わって上演をしている。土曜は夜と昼で異なる上演をする。

 

前置きが長くなったが、モーツアルトのコシファントッテの筋はたわいないが複雑で1~2行で書けるものではない。イタリア語で歌うので、前の席の背のところにでる英語訳の字幕をみて何とか劇の流れについていけた。半分以上の観客がこれを読んでいた。ユーモラスなところで間髪をいれず笑い声を立てる人もかなりいたのはイタリア語がわかる人たちだったはずである。メトロポリタンオペラだけあって音楽の演奏は申し分なかった。しかし、最初から最後までいびきを立てる人が近くにいて参った。

 

 

中村省一郎 12-8-2010

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