(6)チェルシーマーケット

 

9番街でマンハッタンの西端ハドソン川の近くにチェルシーマーケット(Chelsea Market)という食物市場がある。料理番組を見ているとこの市場の話が時々出てくるので、一度行ってみたいと思っていたところ、3日目の朝時間が出来たので地下鉄で出かけた。

 

ここは古くて大きなレンガ建ての建物を5年ほど前に食物市場に改装して、多くの食品屋と食べ物屋が開店した。中へ入ってみると昔の船着場の倉庫だったらしく、壁はレンガのままで、そこを上手にモダンアートのごとく飾ってモールのようにしてあり、非常に数多くの食品店が店を開いている。ここで見つからぬものはないとテレビに出てくる料理人が言っていた。

 

この建物の2階に大きな階段教室のようなホールがあってエメリルラガシという有名な料理人が毎日のように、余興にジャズバンドも呼んで料理の実演をみせていて夜の8時から1時間番組で放送されていたのだが、もうやって居ないようであった。

 

ここには大きな魚屋もあって、驚いたことに刺身用の新鮮なマグロのトロを格安で売っていた。見ただけで、トロの握りが食べたくなったのだが、トロだけを旅先で買うわけにはいかない。なぜこんなに破格の値段でトロをうるのかの理由はおそらくこうであろう。ニューヨークでは高くで売れるのはマグロの赤身で、レストランではステーキにして出す。トロは油が多すぎてステーキにはならない。かといって、マンハッタンでは日本人の買い物客はまれであるから、トロは赤みの半分くらいの値段で売っていたのである。日本人相手の専門店なら、トロは赤みの3~4倍はするだろう。

 

 

中村省一郎 12-8-2010

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