200.24

西 村 三千男 記

連載「余談・ドイツ化学史の旅」

 

第3回 スカンジナビア航空SASはいま・・・

 

今回の旅の空路はスカンジナビア航空SKのビジネスクラスで往復した。久し振りにSK

便に搭乗した。

 

 そもそも、人生で最初の海外旅行フライトは羽田〜アンカレッジ〜コペンハーゲンの北極

回りSK便であった。1965年9月、デュッセルドルフ駐在員として赴任する際に、コペ

ンハーゲン経由でモスクワに出張した。当時、平社員であったが、営業担当専務に随行する

ためファーストクラスに搭乗した強烈な初体験であった。機材は長年に亘り名機と讃えられ

たDC−8であった。

 

デュッセルドルフ駐在事務所に勤務した頃は、北欧や旧ソ連に出張する機会が多く、SK

便を利用する頻度も高かった。それと、三井物産から又借りしていた駐在事務所のご近所に

たまたまSASの営業所があった。そこのカウンターで、とても親切で有能な日本人男性ス

タッフ(田中さん)が、何くれと無く私達の出張旅行の世話を焼いてくれた。また、機内食

ではSASとアリタリアがその頃の世評が高い双璧であった。余談の余談であるが、往時は

SK便の機内食の Besteck (ナイフ、フォーク、スプーン)が丸っこい優美な北欧デザイン

のもの(ジョージジエンセンのもの?と記憶するが)を使用していて、乗客が気に入れば機

内販売もしていた。

 

駐在事務所勤務から国内に戻ってからも、海外出張の都度、自分でフライトを決められる

場合にはSK便でコペンハーゲンを経由するルートを優先使用してきた。会社生活の最終盤

の頃に、オランダAKZOとの合弁事業のモノクロル酢酸の第3番目のプラントがスェーデ

ンに誕生して、またSK便に搭乗する機会が増した。かくして、SASは我が最愛のエアー

ラインとなったのである。ところが、会社を卒業してからは、国内、海外旅行の殆ど全ての

機会に専ら全日空NH便を選び、チマチマとマイルを貯めて、次の海外旅行の航空便アップ

グレードに使うよう心掛けてきた。

 

 実は今回、家内が長男からSASマイルによる全航程ビジネスクラスの特典航空券をプレ

ゼントされた。私はそれに合わせて正規の一周ビジネスクラス航空券を購入した。一人分の

出費で二人が旅行したことになる。久し振りのSK便、Airbus340 機内前方座席は快適であ

った。私達が通常愛用してきた全日空ジャンボ機の2階席ビジネスクラスと大雑把に比較し

てみよう。座席の広さと居住性は全日空の方が優位であるが、SK便 Airbus340 前列も充

分であった。機内サービス全般は双方とも適度に充実していて互角であったが、機内食はS

Kが断然優勢で、昔日を思い起こさせるレベルであった。食器類も少しでも軽くしようとペ

ラペラのものではなく、重厚な本格的食器を使っていた。ただし、Besteck はブランドもの

ではなく、ごく普通のものであった。

 

 帰国便の出発が機材のトラブルで2時間位遅れた。SASのスカンジナビア・ラウンジで

寛いで待った。コペンハーゲン空港はSASのハブ空港であるから、ラウンジの規模も大き

く、設備も充実している。ワイン等の飲み物や食べ物のレベルも約10年前と比較して随分

向上していた。フランクフルト空港のルフトハンザ航空ラウンジと優劣比較すると格段の差

がある。ラウンジの優劣がエアーラインの間で非価格競争力に影響するのであろう。

 

(以下次回)