200.

西 村 三千男 記

連載「余談・ドイツ化学史の旅」

 

第21回 ミュンヘン英国庭園、中国の塔、日本茶室、

 

 この連載の「第17回 カールさんのレストラン」参照。

カールさんに家内がミュンヘンのイチオシ観光スポットを尋ねた。カールさんのお薦

めは「英国庭園。広大な敷地の中央に“中国の塔“があるが、そこから観光馬車で庭園

内を遊覧する」ことであった。お薦めに沿ってみようと、翌11日午前中の早い時間に

タクシーで“中国の塔“へ乗り付けた。そこには、HBハウスの出店のビヤガーデンが

あって、大勢の従業員達は、前夜の歓楽の後片付けと今日のランチタイムの準備に多忙

そうであった。

 

 中国の塔の周囲をグルッと廻って、観光馬車の案内所、発着場所、時刻表などをキョ

ロキョロ探したけれど見あたらない。働いている従業員に聞いても、誰も観光馬車を知

らない・・・と云う。付近を散歩している地元の人らしき老人に尋ねると、遊覧馬車は

あるけれど、運行するのは午後ではないか・・・とも云う。尋ねまわって結局判明した

ことは、遊覧馬車は休日の午後から運行している〜案内所は常設していなくて、馬車の

発着時にだけ仮設している〜ということであった。諦めて、閑散とした広い園内を散歩

した。さすが世界最大の公園、ニューヨークのセントラルパーク以上というだけあって

広大な規模である。中心部には中国の塔以外に徒歩で行けるような見所が無かった。シ

ティセンターへ戻ろうにもタクシープラッツも無い。ちょうど通りかかった路線バスが

Ost Bahnhof へ行くと聞いて飛び乗った。

 

 ガイドブックによれば、英国庭園の南端に日本茶室と庭園があると記載されている。

空振りとなった日の翌12日、出発日であったが、その午前中に長い散歩の途中で立ち

寄ってみた。「閑松庵」と標記されていた。人の気配もなく、ひっそりと佇んでいた。

1972年のオリンピックは夏期がミュンヘン、冬期が札幌であったが、そのご縁で両

市が姉妹都市となり、記念に裏千家流の茶室と庭園が設置されたと記録されている。

 

(以下次回)