200.26

西 村 三千男 記

連載「余談・ドイツ化学史の旅」

 

第25回 異聞・国際キャッシュカード

 

 メガバンク各社の国際キャッシュカードに何か異変が起こっている。会社生活の最終

盤の頃から、海外旅行に出発する際にTC(トラベラーズチェック)を組むのを止め、

三井住友国際キャッシュカードの利便性を享受してきた。国際キャッシュカードの事始

めや自分自身の経験談をアイソマーズ通信2005年号に

連載「ドイツ化学史の旅のこぼれ話」13回   キャッシュカード (International)のこと

として掲載した。

 

異聞その1

 国際キャッシュカードで現地通貨を引出す一回当たりの手数料が、年々少しずつでは

あるが、¥210.→¥200.→¥100.と値下がりしてきた。どう見ても海外

引出手数料がこれでは安すぎる。日本国内でさえ、時間外や他社のATMでは手数料

¥105.が相場である。多分手数料ではなく、円換算レートで実質的に儲けている

に違いない・・と睨んだ。銀行の預金通帳に、去る6月の旅行中の出入金を記帳し、

海外現地引出のレートと同じ日付の買い物のクレジットカードの円換算レートとを比

較した。対比可能な数例で、1ユーロ当たり4〜5円程度国際キャッシュカードが不

利であった。

 

異聞その2

円換算レートで儲けているのだろう・・という私の推定は図星であった。グーグル検

索すると、ここ約5年位の間、ブログなどでこれを問題視した書き込みが多数ヒット

する。各金融機関のカードの手数料など商品内容の比較表も掲載されている。S地銀

のカードが最も有利だと推奨されていた。多くのブログが国際キャッシュカードの利

便性を認めながらも、円換算レートが不当に割高であると指摘している。極端な意見

では、クレジットカードの現地キャッシングの方が国際キャッシュカードよりも有利

であると断じていた。国際キャッシュカードの公式HPの商品説明を注意深く読むと

「円換算レートは、ビザインターナショナルなどの提携するネットワーク運営会社が

定めるレートに5%加算したものを適用する」と堂々と述べている。しかも、数年前

に、前項の手数料引き下げと併行して、それまでの3%加算から5%加算へ引き上げ

ているのだ。為替レートの世界では3%加算でも5%加算でもべらぼうに大きい。ク

レジットカードの現地キャッシングを翌月直ぐに精算するなら、その方が有利かも知

れない。1回の引出手数料を¥100.と見掛け上は割安にしながら、一方で破格の

円換算レートで稼ぐやり口はキタナイ。「羊頭狗肉」という四字熟語が思い浮かぶ。 

 

異聞その3

 みずほ国際キャッシュカードの公式ホームページには深刻な警告が掲示されている。

 同社の国際キャッシュカードを海外ATMで利用した際に、カード情報がスキミング

 等によって盗み取られた可能性があるという。悪用被害を避けるために、帰国後速や

かに暗証番号を変更するように勧めている。

 

異聞その4

昨秋から今年にかけて、メガバンク3社が揃ってこのカードサービスの新規契約を停

止した。3社とも既存のカードホルダーのサービスは継続し、カードの更新サービス

も受け付けている。理由は説明されていない。

 

以上、チマチマした金銭問題を縷々述べたのは、アイソマーズ通信2005年号で国

際キャッシュカードを推奨的に紹介した責任上、皆さんへの注意喚起のためでもある。

気付いた後に念のためとったアクションは、

@当該キャッシュカードの暗証番号を変更し、

A当該口座の残高を最少化した。

 

(以下次回)