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西村さんの第12回めのエピソードには私の名前と白ソーセージに黒パンの話が出てきたので一言。

 

白ソーセージと黒パンについてはアイソマーズ2009年版に書いたのが西村さんの目に触れ、それ以来のやり取りとなった。白ソーセージの由来はそのとき書いたが、昭子も白ソーセージをドイツで食べることを期待していた。白ソーセージはババリア地方特有の食べ物だからミュンヘンでなら食べられるかと思ったのにその機会はミュンヘンではなかった。しかし、今回の公式の旅行が終わり、自由行動になってからノイシュバンシタイン城に行ったとき、昼食をとったレストランで食べることが出来た。

 

ババリア地方が誇りとしている伝統的な白ソーセージの食べ方では、(a)午前11時以降は食べてはいけない、(b)ゆでた白ソーセージに亀裂が入っていたらそれは茹でるときの温度が悪いので食べてはいけない、というようなルールがあって面白いと思っていたが、その昼食の時間は1時半を過ぎていたのに平然と白ソーセージを出してきたし、湯につけて持ってきたソーセージにはソーセージがはじけて亀裂が入っていた。そこで文句をいってみるのも面白いと思ったが、昼食の時間が限られていて、文句をつけることは昼食を断念することを意味していたので、黙って食べた。

 

黒パンに関してはさらに複雑でかつ微妙である。私の少年時代にはロシア人の売る黒パンをよく食べたので、黒パンには強い郷愁がある。ロシア人の黒パンはねっとりしていて酸味が強かった。アメリカへ来てからは、黒パンを売っている店ではたいてい買って味見をしたが、納得の行く黒パンに出会っていない。

 

しかし何年か前に学会でアーヘンに行ったとき、朝食は必ず真っ黒い黒パンで、納得がいったばかりでなく虜になるくらい気に入った。酸っぱくはなく、なにか奥深い香りがあって、コロンバスに帰るときも近くのパン屋で買って帰った。我が家ではパンは自家製なので、パン作りの知識は十分に持っている。自然イーストに関してもよく知っているのだが、インターネットでも随分調べたが、どうやってこのような味と色が出せるのかはいまだ知る由もない。

 

アーヘンはボンやデユッセルドルフからも近いので、今回の旅行の前半に寄りたいとも思ったが、今回の旅行の行き先のことで私が決めることを昭子が許さなかった。

 

西村さんは、アーヘンの黒パンはプンパーニッケルではないかと示唆されるが、そうかも知れないし、そうでない可能性もあると考えている。その理由はアーヘンはフランスとベルギーにも至近距離で、今回の旅行からもわかるのだが、食べ物の地方色がドイツの内部とかなり違うのではないかと思われるからである。

 

昭子を説得してもう一度ドイツ旅行に出かけたいと思っている。

 

中村省一郎 7-8-2010