地域から見た地球温暖化(1)蝉しぐれ

 

 武山高之

 

2010921日記)

 

 私の住む「あすみが丘」も、今年は猛暑の日が続きました。

私は毎年、夏になると「あすみが丘」の蝉の鳴き声に注目しています。私の住む「あすみが丘4丁目」は街中で、街路樹には主としてアブラゼミが鳴いています。郊外の森や森林公園ではミンミンゼミがたくさんいますが、朝晩にはヒグラシの声もよく聞こえます。例年8月下旬になると、創造の杜公園ではツクツクボウシが多く聞かれますが、今年はやや遅れ目でした。暑さのせいかもしれません。

今年特筆すべきことが起こりました。我が「あすみが丘」で初めてクマゼミの声を聞きました。2、3年前から聞いているという人もいますが、私は初めてでした。

西日本に住む人には、クマゼミはごく一般的で馴染みの蝉ですが、東日本では今まではあまり見かけませんでした。

しかし、最近は温暖化のせいか、東日本にも出現したと言われています。東京都と千葉県の境まではかなり前から来ているようです。

 

我が家の周りでは、ヒガンバナとススキの開花が、今年は昨年より遅くなっています。

 

1.気象庁のデータからみた千葉の温暖化

 土気・「あすみが丘」の長期気象データはないかと調べてみましたが、残念ながらありません。ただ、気象庁の記録から、周辺の千葉・銚子・茂原・牛久(市原市の山間部)の30年以上の気象データが得られました。このデータから、過去30年間の年間の冬日(1日の最低気温が0℃以下の日)日数と真夏日(1日の最高気温が30℃以上の日)日数の変化の概要をまとめてみると、およそ次のようになります。

30年間の冬日日数の変化:千葉・銚子では、約30日から10日以下に、茂原では、約50日から約30日に、牛久では、約80日から約60日に各々減少しており、確実に温暖化が進んでいます。

 30年間の真夏日日数の変化:千葉・茂原・牛久では約30日が約50日に、銚子では10日以下が約20日に各々増加しており、こちらでも確実に温暖化が進んでいます。

 

2.あすみが丘周辺の自然観察

 このような温暖化が動植物などの自然現象にどう影響しているのでしょうか?

 もっともよく観測されているのが、ソメイヨシノの開花時期です。気象庁に全国各地の記録がありますが、千葉の周辺では東京・横浜・銚子の記録があります。

関東地方では、この30年間に7日以上も開花が早くなっています。東北地方では、もっと早くなっています。一方、南国の鹿児島・高知ではそれほど早くなっていません。関東南部では、30年前のソメイヨシノの見頃は4月上旬でしたが、今では、3月下旬になっています。

 私はウォーキングを兼ねて、1年以上にわたり、「あすみが丘」および周辺の自然観察を続けています。温暖化のことは、最低でも10年以上観察を続けないと、はっきりしたことはいえませんが、印象としてはイチョウの黄葉、モミジの紅葉もかつては11月上旬でしたが、いまでは下旬になっています。

 チョウチョウやセミの観察も、温暖化に関係して面白いことに出会います。環境省生物多様化センターでは、20087月から『いきものめっけ〜100万人の温暖化しらべ〜』という住民参加プロジェクトを始めました。夏のテーマはミンミンゼミ・ツクツクボウシ・クマゼミの鳴き声が聞こえた日でした。いずれも、皆さんに馴染みの深いセミばかりです。

以上および項について詳しくは、ホームページ

「あすみが丘ふるさとエクスプローラー」

http://15.pro.tok2.com/~asumi/「周辺の自然と環境」をご覧下さい。2007年から2008年の記載で、やや古いデータですが、私が書いたものです。

 

周辺における温暖化の影響は、極北の氷解、南の島々の水没、珊瑚の死滅、農業・漁業への影響のような深刻なものは見られませんが、身近な現象から地球規模で起こっている変化に思いをめぐらすことは出来るでしょう。